新しい魅力発見?工場がたくさんある、日本の工業地帯について

「工業地帯(工業地域)」という言葉があります。文字通り、多くの工場が集中している場所のことを「工業地帯」と呼びます。まさに日本の工業生産・経済の中心を担う土地だということが言えるでしょう。今回はその日本の工業地帯について見ていきたいと思います。

日本の工業地帯には、いくつかありますが、その中で最も巨大なのが、「太平洋ベルト」地帯だと言えるでしょう。

太平洋ベルト地帯

太平洋ベルト地帯は、茨城県から大分県までを結ぶ日本でも最も大きい工業地帯だと言えるでしょう。いくつかの工業地帯・地域がまとまったものの総称となります。具体的には以下の通りとなります。

  • 鹿島臨海工業地帯 … 茨城県鹿島地区一帯
  • 京葉工業地域 … 千葉県東京湾沿岸部一帯
  • 北関東工業地域の一部 … 埼玉県南東部一帯
  • 京浜工業地帯 … 東京都・神奈川県一帯
  • 東海工業地域 … 静岡県一帯
  • 中京工業地帯 … 愛知県・岐阜県・三重県一帯
  • 阪神工業地帯 … 大阪府・兵庫県一帯
  • 瀬戸内工業地域 … 岡山県・広島県・山口県東部・香川県・愛媛県一帯
  • 北九州工業地帯 … 山口県西部、福岡県北部・大分県北部一帯
  • 大分臨海工業地帯 … 大分県中部一帯

以上の10の工業地帯をまとめて、太平洋ベルト地帯と呼びます。この中で更に「四大工業地帯」と呼ばれる地帯がありました。具体的には、京浜工業地帯・中京工業地帯・阪神工業地帯・北九州工業地帯、が「四大工業地帯」となります。しかし最近は北九州工業地帯の工業出荷額が下がってきてしまい、北九州工業地帯を抜いた「三大工業地帯」と呼ばれることが多くなってきています。

四大工業地帯

四大工業地帯をもう少し詳しく見ていきましょう。

京浜工業地帯

東京から神奈川にかけての工業地帯。鉄鋼・機械などを始めとした重化学工業や印刷・出版などが多くを占めています。

中京工業地帯

愛知県を中心とした工業地帯です。トヨタなどをはじめとした自動車産業や鉄鋼・金属などが発達しているのが特徴です。

阪神工業地帯

大阪や兵庫・和歌山近辺を中心とした工業地帯です。石油化学コンビナートや鉄鋼・金属などの工業が発展しています。

北九州工業地帯

福岡の北九州が中心です。古くは八幡製鉄所などで有名だった事からも分かるように、鉄鋼業が中心でした。しかし近年では自動車産業が中心にシフトしています。

太平洋側の大都市が連なっているのが分かると思います。まさに日本の中心となる工業地帯群ですね。特に京葉工業地域・北関東工業地域・京浜工業地帯など、関東地方が中心となっているものがいくつか入っているのが分かると思います。

なぜ太平洋側にこのように工業地帯が集中するのでしょうか?それは港が多くあるため、原料の輸入や製品の輸出がしやすいからというのが大きな理由です。

工業地帯の新たな魅力

ところでこうした工業地帯ですが、実は最近新しい観点からちょっと話題を呼んでいるのですが、ご存知でしょうか?それは「夜景」です。

工場夜景ガイド https://yakei.tw/area/yokohama/

いまやこのようなサイトやツアーが出来てしまっているほどに、工場の夜景の人気が高まっています。確かに昼間は煙や騒音などでやかましいイメージがある工業地帯ですが、夕方になって工場の稼働が減ってくれば、騒音なども気にならなくなります。また照明も大量にあるので、かなりキレイな光景になりますよね。

中には屋形船で、京浜工業地帯を周遊するプランもあるようです。

屋形船 濱進/京浜工業地帯周遊プラン http://www.hamashin.co.jp/yokohama/course/factory.html

工業地帯というと、どうしても無骨であまり一般の人が近寄らないというイメージがありましたが、いまや夜景の美しさからデートスポットにまでなっている所もあるそうです。とても面白いですね。

こうした夜景などで見直された事をきっかけに、日本の工業地帯・工業地域・工場・町工場について、もっと理解が広まっていけばいいと思います。