電力切り替えで今までどおりに電気を使えるかどうか

このページをご覧になっている町工場の経営者の皆さんは、ご自身が経営する工場の経費削減のために、電力を従来の地方電力会社から新電力会社に切り替えようと考えていらっしゃることと思います。

しかしいざ電力会社を切り替えるとなると、どうしても心配になる事がひとつやふたつは出てきてしまうと思います。それは仕方ないことだと思いますし、逆に今のうちに徹底的に調べておいた方が、より的確な決断をくだせるようになるのだと思います。

電気の「質」とは?

今まで新電力に切り替えを考えていらっしゃる町工場の経営者様の何人かとお話をさせていただきましたが、やはり皆さん一様に心配されていらっしゃるのが「電気の質」のことでした。
「電力会社を切り替えても、今までどおりの質の電気が使えるのか?今までどおりの安定した供給が行われるのか?」という事をとても気にされていらっしゃいました。工場の運営には電気が欠かせないものとなっていますので、どうしても心配になられるのだと思います。

結論を先に書いてしまいます。電力会社を地方電力会社から新電力会社に切り替えても、電気の質は「変わりません」。今までどおりの安定した供給、今までどおりの利用が出来ます。安心ですね!

どうしてそこまでハッキリと「変わらない」と言えるのでしょうか?その仕組みをご説明してまいりますね。

新電力でも電気の「質」は今までどおりな理由

そもそも電気はどこで作られるでしょうか?そう、各地方にある様々な発電所ですね。石油や石炭などの様々な燃料を燃やすことで発電をする火力発電所、ダムに貯めた水の勢いを利用して発電をする水力発電所、原子力をエネルギーとすることで発電をする原子力発電所、場合によっては太陽光発電や風力発電所などもあるかもしれません。そういった発電所で、電気が作られています。
ちなみに多くの発電所は地方電力会社が所有していますが、中には新電力会社が所有している発電所もあります。

新電力会社が所有している発電所がある、という事は新電力会社に切り替えるとその発電所から直接電気がご自身の工場に送られてくるという事なのでしょうか?答えは「NO」です。

地方電力会社が発電した電力でも、新電力会社が発電した電力でも、火力発電所の電気も水力発電所の電気も原子力発電所の電気も、一旦は送電線を伝わって「変電所」に集められます。発電所から直接工場や各家庭に来るわけではありません。「変電所」に集められた電気は、その後もいくつかの送電線と変電所を経た上で、各工場、家庭、ビルやオフィスなどに届けられます。

という事は、地方電力会社が発電した電気も、新電力会社が発電した電気も、最初の変電所に集められた段階で、一旦全部混ぜこぜになってしまっているということです。もともとの発電所の段階で電気の質に違いがあったとしても、それらが全部混ぜられてしまうことで、結果としてそれぞれの電気の質の違いは無くなってしまうのです。
一度混ぜられてしまった電気の中から、新電力会社の発電所で発電した電気だけを選別して新電力と契約している家庭に配る…という事はさすがに現実的に難しいことだとご理解いただけると思います。

つまり電気の質は、地方電力会社と契約している時でも、新電力会社に切り替えた後でも、全く同じ質のものが届けられている、というわけなのです。ですので、今までどおり安心して電気を使うことが出来るのです。

これと同じ理屈になるのですが、例えば自分が契約している新電力会社が倒産あるいは破産したからといって、自分のところだけに電気が来なくなってしまうという事はありません。安心して今までどおり電気を使うことが出来るのです。
新電力会社が電力を供給できないような事態に陥っても、電力自体は自分たちのところまで届いてきていますので、それを利用することが可能です。そのようにして既存の電力会社がサポートして電力を届けてくれるようなシステムが、すでに出来上がっているのです。

最後に

いかがだったでしょうか?もし電気の質が悪くなることを心配して新電力への切り替えをためらっていらっしゃるのであれば、その心配は全く無用です。今までどおり電気を利用することが出来ます。どうぞ安心して、新電力への切り替えをご検討ください。
「工場電気ドットコム」では、そのお手伝いをさせていただきます。

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