地方電力会社について

新電力を利用することで、従来の地方電力会社よりも電気料金がずっと安くなります。工場電気ドットコムでは特に工場や町工場などに対して強い新電力会社を厳選しておりますので、少しでも電気代に不安のある方は、どうぞ安心してご相談ください。

ところで「新電力」に対して「地方電力会社」といいますが、具体的に「地方電力会社」とは一体どのような会社なのでしょうか。今回は地方電力会社について書いていきたいと思います。

地方電力会社とは

地方電力会社」という呼び名は、他に「大手電力会社」「一般電気事業者」と呼ばれることもあります。電力自由化以前に、その地域の担当エリアに独占的に電力を供給していた電力会社10社が、地方電力会社です。「地方名 + 電力」という名前で呼ばれていました。具体的には以下の10社となります。

北海道電力

文字通り北海道の営業地域とする電力会社です。略称は「HEPCO」。2018年9月の北海道胆振東部地震では、苫東厚真発電所の電力供給が停止されたことにより、北海道全体が大停電になった事は記憶に新しいです。

主な所有発電所ですが、火力発電所は12ヶ所、水力発電所は53ヶ所、原子力発電所が1ヶ所、それぞれ設置されています。数だけ見ると水力発電所が多いのですが、実際には火力発電所の方が発電力が多くなっています。原子力発電所は泊発電所だけですが、現在稼働を停止しています。

東北電力

青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、そして新潟県を営業エリアとする電力会社です。特に福島県は、東京電力福島第一原子力発電所のイメージが強いのですが、エリアとしては東北電力の管内に含まれます。売上規模は、地方電力会社の中では四番目になっています。

東日本大震災の時にも真摯な対応をし、外国から発電機などを買い付けることで、被災地でありながら計画停電を全く行わなかったことが有名です。現在は火力発電所を8ヶ所、水力発電所を20ヶ所、原子力発電所を2ヶ所保有しています。

東京電力

東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、茨城県、栃木県、山梨県、そして静岡県の富士川より東の地域をエリアとする地方電力会社です。略称は「TEPCO」。福島第一原子力発電所事故により、良くも悪くも有名になってしまったと言えるでしょう。原子力発電所が3ヶ所、火力発電所が25ヶ所、水力発電所が196ヶ所と多くの発電所を保有している、日本最大の電力会社の一つです。

北陸電力

富山県、石川県、福井県の一部、岐阜県の一部など、主に北陸地方を営業エリアとするのが北陸電力です。131ヶ所の水力発電所、6ヶ所の火力発電所、1箇所の原子力発電所を保有しています。北陸地方は山岳地帯が多いために、水力発電が盛んでした。ですので水力発電所も保有数が多くなっています。

中部電力

愛知県、長野県、三重県の大半地域、岐阜県の大半地域、そして静岡県の富士川より西の地域を営業エリアとするのが中部電力です。ほとんどの地域で周波数60Hzの電気を供給していますが、長野県の一部で50Hzの電気を供給している地域があります。水力発電所が196ヶ所、火力発電所が10ヶ所、原子力発電所を1ヶ所保有しています。

中部電力は、東京電力、関西電力に次いで全国3位の売上を上げています。タレントを起用したCMなどを大々的に展開しているのが、特徴です。

関西電力

大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県、福井県の一部、三重県の一部、岐阜県の一部を営業エリアとする電力会社です。略称は「KEPCO」。
水力発電所が152ヶ所、火力発電所が12ヶ所、原子力発電所を3ヶ所保有しています。現在は効率の低い火力発電所の廃止を、積極的に進めています。

中国電力

広島県、山口県、島根県、鳥取県、岡山県など中国地方全域の他、兵庫県の一部、香川県の一部、愛媛県の一部を営業エリアとする電力会社です。地元野球チームとの連携など、ユニークな取り組みを積極的に行っているのが、大きな特徴です。水力発電所を99ヶ所、火力発電所を12ヶ所、原子力発電所を1ヶ所保有しています。

四国電力

四国4県、つまり香川県、徳島県、高知県、愛媛県を営業エリアとする電力会社です。略称は「YONDEN」。
4ヶ所の火力発電所、58ヶ所の水力発電所、1箇所の原子力発電所を保有しています。

九州電力

福岡県、長崎県、大分県、佐賀県、宮崎県、熊本県、鹿児島県と九州一帯を営業エリアとしている電力会社です。略称は「KEPCO」。日本で初めてプルサーマル運用(プルトニウムで燃料を作る)を行ったのは、九州電力の玄海原子力発電所です。
2ヶ所の原子力発電所、42ヶ所の火力発電所、143ヶ所の水力発電所を保有しています。

沖縄電力

その名の通り、沖縄県を営業エリアとする電力会社です。18ヶ所の火力発電所を保有しています。沖縄県には水力発電所や原子力発電所は無く、そのほとんどが火力発電で賄われています。実は日本で唯一原子力発電所を持たない地方電力会社でもあります。

以上10社が、日本の地方電力会社となります。

地方電力会社の歴史

実は日本での電気事業は、明治19年に最初の電気会社となる東京電燈(後の東京電力)が出来て以降、しばらくの間は現在と同じように完全な自由市場でした。その後明治20年代~30年代にかけて、全国各地に多くの電気会社が設立していました。最盛期には全国で700を越える電力会社があり、独自の送電線を使って自社の電気を直接需要家に届けていました。

その後関東大震災や第一次世界大戦をきっかけに、電力会社の統廃合が進んでいき、1938年には「電力国家統制法案」により日本発送電という会社が設立。電力会社はこの日本発送電と、関連する9配電会社に統合されていきました。この9社が後の地方電力会社(沖縄電力除く)の元となっていったのです。

第二次大戦後、GHQの統治下において、独占資本である日本発送電が解体されました。そして日本を9つの地域に分割し、それぞれの地域に電力会社が再編されていったのです。その後沖縄変換に伴って沖縄電力が設立され、地方電力会社10社体制が確立していったのです。

つまり日本ではもともと「電力自由化」が行われていたのですが、一旦国営化され、さらに民営化されたものの、地方単位で電気会社は独占企業となっていた、という事になります。それをもう一度自由市場にしよう、という狙いが昨今の「電力自由化」であるというわけです。

地方電力会社と電力自由化

電力自由化により、多くの新電力会社が立ち上がりました。現在500社近くの新電力会社が存在します。それらの企業が自由に競争をしていくなかで、電気料金などがより安くなっていき、消費者にとっても良いことになるだろう、というのが「電力自由化」の理念です。確かに新電力が参入することで、従来の地方電力会社が今までにないサービスを展開するようになっていきました。それを更に進めていくのが、2020年に実施される「発送電分離」だと言われています。

ただし「発送電分離」はスタート後しばらくは混乱が予想されます。思うようには電気料金が下がらないかもしれません。しかしそのような状況でも、電力会社を選ぶ「自由」はあります。基本料金の安い新電力会社に切り替えることで、電気料金がより安くなる時期へ備えておくという選択肢があるのです。

まとめ

今は自分たちで、好きな電気料金のプランやコースを選ぶ事が出来る時代になっています。工場電気ドットコムでは、そんな皆様のお手伝いをさせていただいております。現在高圧電気をご利用の工場や町工場、企業の方々で、少しでも電気料金を安くしたいとお思いの方がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご相談ください。ご相談、お見積りは完全無料となっております。