知っているようで知らない?ACアダプタについて

私達はスマートフォンやタブレット、ノートPCなど、実に多くの電子機器を日常的に利用しています。ところでこうした電子機器に必要不可欠なのが「ACアダプタ」と呼ばれるものです。ところでこの「ACアダプタ」とは、一体どのような役割をしているのでしょうか?普通のプラグとは、一体何が違うのでしょうか?今回は知っているようで知らない「ACアダプタ」について書いていきたいと思います。

そもそもACアダプタとは?

ACアダプタ(アダプターとも言う)」は、一般的にコンセント部分が大きく四角い形状になっています。色は黒が多いですが、白かったりグレーだったりと、様々な色が存在いたします。一体このACアダプタとは、一体どういう役割なのでしょうか?

ACアダプタは、一言で言ってしまうと外部電源という事になります。普段私達が使っているコンセントから流れてくる電気は、一般的に交流電気(AC)と呼ばれています。その電気を直流電気(DC)に変換する役目を持っているのが、ACアダプタです。

直流電気と交流電気

それでは直流電気交流電気はどう違うのでしょうか?「直流電気」とは、電圧が常に一定のものの事を言います。身近なところでは、乾電池やバッテリーなどの電気は直流電気です。

一方の交流電気とは、時間に対して一定の周期で電圧が変動しています。この電圧の変動が1秒間に起きる回数がつまり「周波数」です。日本であれば富士川のラインを境界として、東が50Hz、西側が60Hzとなっています。家庭用のコンセントから流れてくる電気は、全て交流電気です。

ACアダプタを必要とする製品

電気製品の多くは、直流の電源を利用しています。しかし電力会社から送られてくる電気は交流電気です。そのためにほとんどの電気製品には、交流電気を直流電気に変換する装置が必要になるのです。しかしそうした装置を機械内部に設置すると、どうしてもその機械本体が大きく重くなってしまいます。

しかしそうした変換装置をACアダプタとして外部化することで、スマートフォンやタブレットは、大幅な小型化に成功したのです。

ACアダプタのメリット

ACアダプタを利用することで、実に多くのメリットがあります。

本体の重さとサイズの軽量化

先程もご説明しましたようにほとんど全ての電気製品で、交流電気を直流電気に変換する必要があります。そのため多くの電気製品には、そうした装置が組み込まれています。しかしそうなるとどうしても、機械そのもののサイズが大きくなります。しかしACアダプタの登場で、そうした機械自体を小さく軽くすることが出来るようになったのです。ノートPCやスマートフォンなどは、ACアダプタが無いと実現出来なかったでしょう。

機械自体の熱を下げることが出来る

機械本体に電源が組み込まれている場合、どうしてもそこに熱が発生してしまいます。そうした熱は、実は電気製品にとっては厄介なものです。場合によっては機械の故障を招きますし、また精密な回路にも影響を与えて寿命自体を短くすることもあります。

しかしACアダプタにより電源が外部化されれば、そうした熱による問題からも開放されます。また機械の設計などにも余裕が出来、様々な制約から開放される事になるのです。

また電源装置の熱により、電源装置自体にも影響を与えてしまうことがあります。電源装置は他の回路と比べて故障をしやすいのです。しかしACアダプタとして外部電源化されていれば、故障した際に交換なども極めて簡単に行うことが出来るのです。

ノイズなどの影響を下げることが出来る

電源装置からはノイズが発生することがあります。こうしたノイズは機械との距離によって低下するのですが、本体に電源装置があった場合、どうしても距離が近くなってしまいます。しかしACアダプタがあれば、充電をしている時でも機械本体との距離を遠くにすることが出来るのです。

最後に

このようにACアダプタは、とても便利なものです。近年では更に小型軽量化が計られており、持ち運びなどもしやすくなってきています。

とは言えACアダプタ自体にも対応する電圧や電流、また利用する機械などとの相性などがあります。特に外国などではコンセントから供給される電気の電圧自体が違ったりしています。ACアダプタは確かに便利なものですが、「どれでも同じ」などとは決して思わず、利用しようとする機械、利用する場所・国などをキチンと調べて、ふさわしい物を選ぶようにしましょう。