2021年も11月となりました。冬はもうすぐそこまで来ています。ところで一足早く冬が訪れてしまい、大混乱になってしまった国があるようです。
人民網日本語版:中国各地でドカ雪、高速封鎖に列車運休、休校も続出
先週末、中国の多くの地域で今シーズンの初雪が観測された。人民網が各社の報道をまとめて報じた。
内蒙古(内モンゴル)自治区通遼気象局は今月8日正午、北方エリアの草原都市である同自治区の通遼市が「ドカ雪」に見舞われ、7日からほとんどの幼稚園、小中高校が休校となっているほか、空港も閉鎖されていることを明らかにした。通遼市の気象当局によると、現時点で、6センチから50センチほどの積雪となっている。
50センチの降雪となると、日本でも雪国でしか降らないような降雪量です。雪国であればある程度の対策は出来ているでしょうが、あまり雪に縁の無い地域であれば、そうした備えなども無いでしょうから、かなり大きな被害が予測されます。日本でも東京近辺に50センチもの雪が降ってしまっては、大混乱になってしまいます。記憶に新しいところでは2014年には東京で大雪が降りましたが、この時の降雪量がおよそ30センチ弱です。もちろんこれは都心部の話ですので、東京でも都心部から離れた地域であれば、更に多くの降雪があった事は言うまでもありません。
ところでこの中国の大雪で心配されることがあります。既にお伝えしたとおり、現在中国では頻繁に電力不足による停電が発生しています。
大雪の時には太陽光発電なども役に立ちません。そうした状況で停電が発生してしまったら、これは命に関わる事態だと言っていいでしょう。現在そうした情報については中国からは入ってきておりませんが、大雪の最中に停電などが発生しないよう、祈るばかりです。
そして日本もこの事態を対岸の火事だと思っていてはいけません。日本ではこの冬の電気は「過去10年で最も厳しい見通し」と言われています。原因等については、以前も書きましたので、そちらをご覧ください。
今年の日本の冬が寒くなるのか暖冬になるのかは現在ではまだ分かりませんが、もし大雪などが降ってきてしまうと、当然電気の需要も高まります。しかしすでに電気の供給事態がかなり厳しいと言われている中で急激に電気の需要が高まると、最悪の場合大規模な停電が発生してしまうでしょう。大雪の中での停電というのは、私達が考えている以上に命に関わる事態となります。
対策としては、これも以前も書いたのですが、一日も早く少しでも多くの原子力発電所を再稼働させることしかないでしょう。火力発電ばかりでは燃料代がかかってしまい、今回のような電力不足を招いてしまうことになってしまいます。太陽光発電では雪や雨が降ってしまうと、発電量が大幅に減ってしまいます。夜は当然発電できません。風力発電なども思うような安定した発電はできません。大量に安定した電気を確保するためには、原子力発電が必要不可欠なのです。フランスでは、脱炭素へ向けて原子力発電所の建設を再開した、というニュースも先日入ってきた通りです。
私達の生活に電気は必要不可欠です。そしてそのためには大量かつ安定した発電がどうしても必要となります。そのためにはどうすればいいのか、理想論だけでは無くしっかりと現実を見据えていくことが大切だと言えるでしょう。