中国で電気自動車が急成長の秘密とは?

現在世界的に電気自動車の生産・普及が拡大しています。電気自動車は元々は温暖化対策あるいは原油消費を節約する事を大きな目的として、開発されてきました。そしてここに来て中国で、電気自動車の販売数が急速に伸びてきています。

朝日新聞デジタル:急拡大する中国のEV販売、前年同期の2・8倍 年300万台突破へ

中国で、電気自動車(EV)など新エネルギー車の新車販売が記録的に伸びている。中国自動車工業協会によると、1~10月は、約90万台だった前年同期の2・8倍にあたる過去最高の254万台に達した。通年で300万台を突破するのは確実とみられる。中国は世界最大の自動車市場だが、売れた新車の約8台に1台は新エネ車だった。

またこちらの記事にも、現在中国で躍進してきている電気自動車について書かれています。

BUSINESS INSIDER:テスラに対抗!中国EV三銃士が販売する電気自動車を紹介しよう

こうした多くのメーカーが競い合っていることで、中国の電気自動車市場は大きく伸びてきているのは間違いないといっていいでしょう。しかしそんな中国ですが、ここで少し先行きに不安を感じるようなニュースも出てきています。

東洋経済オンライン:中国政府、電池業界の「生産能力過剰」防止へ牽制

EV(電気自動車)の販売の急拡大を背景に、中国のリチウムイオン電池業界は原材料や部品のサプライヤーから完成品メーカーに至るまで、業界を挙げて生産能力の大増強を進めている。そんななか、中国工業情報化省が11月18日に2本の規制案を発表し、(過剰投資や粗製濫造を防いで)電池業界を秩序ある発展に導くための布石を打った。

規制案は電池業界の各企業に対して、ただ単に生産能力を拡大するのではなく、技術革新とコストダウンに努めるよう要求。既存生産設備の前年の稼働率が50%に満たない場合、生産能力の増強を許可しない方針を打ち出した。ただし工業情報化省は、規制案には強制力がなく、電池業界の技術力向上と健全な成長が目的のガイドラインだと説明している。

つまり現在のままだと粗製乱造に繋がるので、そうでは無く技術革新とコスト削減を実現するようにしなさい、という政府のお達しがあった、という話です。しかしこうしたお達しは、時として上向きだった業界に対してブレーキを与えるだけの結果となることがあります。実際に中国国内でも、そうした動きを懸念する声が出てきているようです。

今回の規制がどういった影響を与えるのかは、今しばらく見守る必要があると言えるでしょう。