ロシアがウクライナに侵攻を開始してから、三ヶ月が経とうとしています。ロシアの行いは当然許されないものなので、世界各国がロシアに対して経済制裁を行っています。しかし実はロシアは資源国でもあります。経済制裁を行う以上は、逆にロシアから資源などを輸入することが出来ない、という事にもなります。そうなりますと、資源の大半を外国に頼っている日本としては、実はかなり厳しい局面に立たされることになります。
NEWSポストセブン;日本にも迫るロシア産石油、天然ガス、石炭禁輸 各国はエネルギー資源争奪戦に
もっと深刻なのはロシアからの禁輸措置が「天然ガス」「石炭」へと及んだ時だ。日本は天然ガスの8.8%(年657万トン)、石炭は11%(年1973万トン)をロシアから輸入しており、依存度は石油よりはるかに高い。
現実に経済制裁で先行するEUは4月にロシア産石炭の輸入停止で合意。さらにEUのミシェル大統領は日経新聞のインタビュー(5月10日付)で、〈ロシア産化石燃料への依存を終わらせる〉と天然ガスの輸入停止にまで踏み切る考えを表明した。
日本も近く石油に続いてロシア産天然ガスと石炭の禁輸を迫られることは間違いない。
現在日本にある原子力発電所のほとんどは、稼働停止しています。そして発電の多くを火力発電に頼っている状態です。火力発電には燃料として、石油や石炭、天然ガスが必要となっています。その石炭や天然ガスの多くを、ロシアから輸入しているのです。もしこれらが輸入禁止になってしまうと、先日もあったような電力需給ひっ迫警報が夏にも起きるようになってしまうのでは無いでしょうか。
この状態を打破する方法はひとつしかありません。もちろん原子力発電所の再稼働を進めることです。原子力発電所は、安定して大量の電気を発電するにはもっとも優れた方法です。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、時と場所を考えて扱う分にはいいのですが、どうしても安定性に欠けてしまいます。例えば太陽光発電は夜間や曇天時には発電ができない、と言えばすぐに想像はつくことかと思います。
今後再生可能エネルギーの研究が進んで、より大量に安定した発電ができるようになるかもしれません。しかしそれまでの間は、原子力発電を利用して安定かつ大量の電気を賄っていくことが必要だと言えるでしょう。
REUTERS:日本が原発にどう取り組むか「本気で議論するべき」=電事連会長
電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は20日の定例会見で、エネルギー価格が上がる中、日本が原子力発電にどう取り組むか「本気で議論するべきだ」と述べた。
池辺会長は、原子力発電は燃料価格がコストに占める割合が低いため、世界的なエネルギー価格上昇の影響を受けにくいと指摘。足元のようにエネルギー価格が上昇する中では、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを増やすほか「原子力発電は非常に大きな役割を果たす」との考えを示した。
エネルギーの安全保障、経済性の確保、2050年のカーボンニュートラルの実現の観点からも「今ある原子力発電を安全最優先で最大限活用するべき」と述べた。
今こそ原子力発電所をどうするか、の議論を進めていき、安全が確認された原子力発電所は積極的に再稼働していく時なのかもしれません。