工場で働く方々にとって、停電は何よりも避けたい事態の一つかもしれません。今や多くの工場の機械が電気で動いています。その電気がストップしてしまうということは、工場にある全ての機械が止まってしまって、作業が全く出来なくなってしまうという事です。
でも停電は一体どうやって起きるのでしょう?今日はその停電について書いていきたいと思います。
昔の停電と今の停電
昔の日本では、結構な割合で停電が起きていました。年配の方であれば、台風の時などに電気が消えてしまって、慌ててロウソクを探したりした経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし近年になってから、日本での停電の発生件数は非常に少なくなってきました。特に1980年代以降は、1軒あたりの停電回数が「1」を切る値になってきています。
またこの停電の回数は、世界の他の国と比較してもとても少ない数になっています。下のリンクから飛べるページを見ますと、2015年の日本での1軒あたりの停電回数は、「0.06」になっています。アメリカのカリフォルニア州では、この値がほぼ「1」になっていますので、その少なさが分かるかと思います。
日本でこれだけ停電が少ないのは、安定した電気が供給されているからに他なりません。またもし事故などで停電が発生しても、その被害を最小限にとどめるための制御システムがあるからです。日本は停電に対して、様々な取り組みをしてきたということなのです。
停電の原因
とは言っても、停電は起きてしまう時にはどうしても起きてしまいます。ではその停電の様々な原因を見ていきましょう。
雷
夏場になると夕立とともに雷が落ちてきます。特に近年はゲリラ豪雨が話題になっていますよね。その雷が送電線に落ちた時に、電気を送るための設備(電線や変圧器)などを壊してしまう事があります。そうなると停電が発生してしまいます。
大雪
冬になると地域によっては、大雪に悩まされることもあるかもしれません。そんな雪も停電の原因となります。電気を送る送電線や電柱などに多くの雪がついてしまうことがあります。その雪の重みで電線が切れたりすることはあまり無いのですが、雪がついた状態で風が吹くと電線が大きく揺れてしまいます。その際に電線同士が接触することで、停電になるケースもあります。
また電線の近くにある樹木に雪が積もることでその樹木が倒れ、結果として電柱を倒したり送電線に接触してしまったりするケースもあります。
台風
秋になると日本にやってくる台風も、もちろん停電の原因となります。強風で電柱が倒れたり、送電線が切れたりするだけで無く、風で飛ばされた障害物などが電線に接触したり、また大雨による土砂崩れなどで停電が発生する場合もあります。
地震
地震も停電の原因となります。大きな揺れによって電柱が倒れることもありますし、電柱が倒れなくとも近隣の建物の倒壊の影響で、電線が切れる可能性もあります。また近年では電線を地中に埋めているケースもありますが、揺れの影響で地下に埋めた送電線が損傷するケースも考えられます。
鳥の巣
電柱の上に鳥が巣を作ってしまう場合があります。特に巣を作るときに金属などが混ざってしまうと、そこに電気が流れてしまい、停電となる事もあります。
自動車・重機
交通事故の影響で自動車が電柱に衝突するケースがあります。その際に電柱が倒れたり、また近くにある電気設備を傷つけたりする場合もあります。交通事故の場合、事故の影響で電柱などが無事であっても、事故からの復旧作業などで一時的に周囲を停電させることがあります。
また重機などは作業中、間違って電線に接触してしまったり、地下にある送電線を傷つけてしまう可能性もあります。そうなると停電が発生してしまいます。
火災
火災が発生して、送電線や電線などが損傷する場合があります。その場合は停電になってしまいます。また送電線などが損傷しなくても、消火活動を行うため一時的に電気をストップさせる事があります。
その他
大型ビルや工場などで電気設備を利用している場合、その電気設備になんらかの異常が発生し大規模な事故などに繋がる恐れがあります。その場合、緊急的に周囲への電気の送電をストップさせる場合があります。
まとめ
今回は停電についてまとめてみました。上にも書いたように、日本国内での停電発生件数はとても少なくなってきています。しかし全く発生しないというわけではありません。渡航に地震や台風などの災害時は、停電の可能性が高まります。災害に備えて、懐中電灯やロウソクなどは、必要最低限のものはあらかじめ備えておいた方がいいかもしれませんね。