多くの工場で使われている石油化学製品について

石油といえば、火力発電の燃料として使われています。石油(原油)を燃やすことで発電用のタービンを回し、発電をするのです。それ以外にも石油は多くの物の原料として、役立っています。では一体どのような物が石油から作られているのでしょうか?

石油は主に中東で産出され、日本までタンカーで運ばれてきます。ちなみに産出されたばかりのものは、「石油」では無く「原油」と呼ばれています。タンカーで長い時間をかけて日本まで運ばれてきた原油は、火力発電などの燃料として使われる原油もありますが、加工する場合はまずは石油精製工場に運ばれます。タンカーから直接原油を運び入れるため、石油精製工場は海の近くにあることが多いです。

石油精製工場に運ばれた原油は、蒸留塔で熱を加えられます。蒸留塔で熱を加えられた原油は、石油ガス・ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油などに分別されます。このうち、石油ガスやガソリン、灯油、軽油、重油などは主にエネルギーとして使われます。そしてこれらの中の「ナフサ」と呼ばれる物質が、多くの石油化学製品の原料となるのです。

ナフサは、粗製ガソリンや直留ガソリンなどとも言われることがあります。次にこのナフサを、ナフサ分解工場に送り、熱分解反応を起こします。そうすることでナフサは、エチレン・プロピレン・ブタジエン・ベンゼン・トルエン・キシレンなどの物質に分解することが出来ます。いわゆる基礎製品とも呼ばれています。

これらの原料は、また石油化学誘導品工場と呼ばれるところに運ばれ、それぞれ別の物質、つまり石油化学誘導品になります。例えばエチレンはポリエチレンに、プロピレンはポリプロピレンに、といった具合です。石油化学誘導品工場で作られる原料は、おもに6つに分類することが出来ます。プラスチック、合成繊維原料、合成ゴム、塗料原料・溶剤、洗顔原料、その他などです。

こうして出来た石油化学誘導品は、それぞれの工場へ送られ、様々な石油化学製品になります。例えばプラスチックや人工ゴム、ペットボトルや合成繊維、さらにはテレビやパソコンなどにも石油は必要不可欠です。もちろん冬の暖房や自動車のガソリンなどいったところにも、石油は必要となっています。実に多くの暮らしに役立つ様々な製品が石油から作られていることになるのです。

また生活必需品など一般家庭だけでは無く、工場で生み出された石油化学製品が他の工場で別の製品の素材になるということもあります。石油化学製品は工場や製作所など、製造業にとっても無くてはならない存在なのです。

このように石油は火力発電のエネルギーというだけでは無く、プラスチックやゴム、合成繊維、ガソリンなどのエネルギー源などと、私達の生活に密着した存在です。ということは、それだけ石油を取り扱う工場も多く存在するということになります。

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