雷と電気について

夏といえば、すぐに「」を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。それだけ夏の夕立と一緒に発生する雷は、印象深いといえるでしょう。今回はその「」について書いていきたいと思います。

雷について

そもそも雷は、みなさんもご存知の通り「電気」です。雷が電気である、という事を証明したのは、18世紀のアメリカの科学者、ベンジャミン・フランクリンです。この実験の際にフランクリンは「」を使ったのですが、その様子が描かれた絵などを見たことがある方も、いらっしゃるかもしれません。では雷はどうやって発生するのでしょうか。

雷が発生する仕組み

雷は雲の中で発生します。雲とは、太陽によって温められた水分が上昇していき、空の上の方で冷やされて水滴になったものが集まっている状態です。雨の粒の大きさは、0.2mmから4mm程度ですが、雲の粒は雨粒の直径の100分の1、体積では100万分の1の大きさです。

雲は上昇気流などに乗って高い空に浮かんでいきます。空の高いところへ行けば行くほどに気温は低くなっていくので、雲の中にある水滴は冷やされることになります。高い空の上で雲が冷やされた結果、雲の中野水滴がだんだんと冷やされ、また他の粒などと合体していき、大きな氷の粒となっていきます。氷の粒は重いので、地面に向かって落下していくことになります。しかしその際に、雲の中にまだ残っている軽い氷の粒は上の方へと上っていこうとします。その際に氷の粒同士がぶつかりあう事で、静電気が発生していき、結果雲の中に大量に静電気が貯まることになります。

この貯まった静電気が「」の正体です。地面に向かって落ちることで「落雷」となります。この際の電圧は、1億ボルトとも言われています。

雷が鳴りだしたら気をつけたいこと

1億ボルトもの電圧を持つ雷ですが、当然人間に当たったら、もちろんただでは済みません。ではもし野外で雷が鳴り始めたらどうすればいいでしょう?

外出している時に雷の音を聞いたら、まずは大きな建物の中などに避難するようにしましょう。大きな建物などであれば避雷針などがあるので、安全です。

また良く言われることですが、雷は高いところに落ちてきます。周辺に大きな木や電柱などがある場合は、そういった高い物のそばには近づかないようにする事が大切です。もし自分の周辺に何も高いものが無いような時には、雷は人に向かって落ちてくる可能性があります。姿勢を低くして、なるべく早くその場所から逃げて安全な場所に避難するようにしましょう。

家や工場の中などにいれば雷は安全…とも言い切れません。「雷サージ」と呼ばれる災害が存在します。

雷サージとは

雷サージ」と書いて「らいサージ」「かみなりサージ」などと呼びます。雷が家や工場、オフィスなどの建物に落ちた際に、瞬間的に高い電圧が発生することがあります。その高電圧の影響で、家庭や工場、オフィスなどの電化製品に異常ともいえる過剰な量の電流が流れてしまい、電化製品などが壊れてしまう現象のことを言います。

雷サージには「直撃雷サージ」と「誘導雷サージ」の2つがあります。「直撃雷サージ」は家や工場、オフィスなどの建物に直接雷が落ちた場合です。テレビのアンテナや避雷針、また電柱や電線などに雷が落ちると、直撃雷サージとなります。

「誘導雷サージ」は、建物には直接落雷しなかったものに、家や工場周辺の地面や樹木などに落雷した影響で、高電圧が発生し、その電流が電柱や電線などを伝わって、建物の中に入り込む現象のことを言います。

先程も書きましたが、この雷サージが起きることで、テレビやパソコン、その他家電機器などに異常な量の電流が瞬間的に流れてしまい、機械が壊れてしまうことがあります。場合によっては、火事などが発生することもあります。

雷サージを防ぐには

雷サージを確実に防ぐには、雷を落とさないようにすればいいのですが、さすがにそれは現代の技術をもってしても不可能です。あくまでも基本の対策ですが、家庭やオフィスなどで雷の音が聞こえたら、まずはパソコンやテレビなどの電化製品の電源を切ります。その後電源ケーブルを、コンセントから抜きます。その他、LANケーブルやテレビのアンテナケーブルなど、外部と繋がっているようなケーブルは、全て抜いてしまいましょう。雷が落ちても、その電気が入ってこないようにする事で、雷サージ対策となります。

まとめ

最初にも書きましたが、夏はとにかく雷の多い季節です。最近は雷の発生情報などが分かるアプリなども登場してきています。近所に雷の発生を確認したら、家電機器などが雷サージでやられてしまわないよう、きちんと対策をするようにしましょう。