台風19号の恐るべき被害

2019年10月12日から13日にかけ、東海・関東・東北地方を襲った大型で強い台風19号の影響が、次々と明らかになってきております。

産経新聞:【台風19号】被災地で救助や捜索続く 浸水深く、ポンプで排水

台風19号による猛烈な雨の影響で大規模な洪水被害や土砂災害が発生した長野県などの現場では14日、警察や消防、自衛隊の関係者らが、取り残された人の救助や行方不明者の捜索を続けた。11県で35人が死亡、行方不明者は17人となった。共同通信が集計した。

NHK NEWSWEB:台風19号 被害甚大【決壊】21河川24か所【越水】のべ142河川に

台風19号による豪雨で川の堤防が壊れる「決壊」が発生したのは、13日の夕方の時点で21河川の24か所に上ることが国土交通省の調査で分かりました。

また、水が堤防を乗り越える「越水」による氾濫は、国や15の都県が管理するのべ142の河川で確認されました。

本当に恐るべき威力の台風でした。また停電関連では13日午前の段階で、関東から東北で約42万軒が停電していたというニュースがありました。

FNN PRIME:関東~東北で停電約42万軒 復旧作業進む 通電など注意

台風19号の影響で、関東から東北までの広い範囲で、およそ42万件の停電が発生している。

13日午前5時現在の停電は、多いところから、千葉県でおよそ12万1,000軒、神奈川県でおよそ9万1,000軒、長野県でおよそ6万軒となっているなど、台風の影響とみられる停電は、あわせておよそ42万軒にのぼっている。

暴風雨や、飛んできた物の接触による配電設備の故障が主な原因で、東京電力では1万7,300人態勢で、復旧を優先に、現場での作業、被害状況の巡視を続けている。

今日の段階ではかなり復旧が進んでおりますが、それでもまだ多くの所で停電が続いております。東京電力管内では14日9時の段階で、約53100軒もの停電が確認されています。

また今回の台風19号では、特に群馬県の八ッ場ダムの活躍が話題になっております。八ッ場ダムといえば、かつて民主党政権時に「不必要だ」とされて、一時は建設中止が言われていたダムとして有名です。

読売新聞オンライン:八ッ場ダム、一気に「満水まで10m」…台風で54m上昇

国が来春の運用開始を目指し、今月1日に貯水試験を始めた八ッ場やんばダム(群馬県長野原町)の水位が、台風19号による大雨で急上昇した。国土交通省関東地方整備局の速報によると、13日午前5時現在の水位は標高573・2メートルとなり、満水時の水位(標高583メートル)まで10メートルほどに迫った。台風によるダムの被害は確認されていない。

八ッ場ダムでは、満水にした後に最低水位の536メートルまで下げていき、ダム本体や周辺の斜面の安全性を確かめる試験湛水たんすいが始まっている。国交省は、最高水位に達するまで「3~4か月かかる」とみていたが、周辺では11日未明から13日朝までに累計347ミリの雨が降り、山間部から流れ込んだ水でダム湖の水位は約54メートルも上昇した。水没予定地に残された鉄橋も11日時点では見えていたが、完全に水の底に沈んだ。

ダムは水力発電のための施設ですがそれだけでは無く、今回のような大雨による洪水被害を食い止める、という役割もあります。今回はたまたま試験運用中だったとの事ですが、図らずもその性能を十分に発揮することとなりました。

今回の台風でご自宅や職場もなんらかの被害にあった、という方もいらっしゃるかと思います。そうした皆さまに一つだけ注意として上げておきたいのは、エアコンの室外機などが風で倒れた場合、それは決してご自身では戻さないようにしてください、ということです。

FNN PRIME:「倒れた室外機は自分で起こさないで!」台風の爪痕残る中、ダイキンが注意喚起…一体なぜ?

――なぜ倒れた室外機を起こしてはいけない?

ご自分で転倒した室外機を起こそうとすると、思わぬ怪我をする可能性があるため、当社ではお客様による作業は控えていただくようにご案内しています。

怪我の理由として、室外機と室内機をつなぐ冷媒配管(銅でできた配管)への負荷で破損し、”冷媒”と呼ばれるガスが漏洩する可能性があることが挙げられます。

配管に開いた小さい穴から勢いよく吹き出す冷媒は、マイナスの温度になっていることもあり、それを触ってしまうことで負傷することもあります。

室外機を起こす作業や修理が必要な場合は、エアコンの据付けを依頼した業者様、またはメーカーまでご相談ください。

エアコンの室内機と室外機の間には、熱い空気を室内と室外でやり取りするための「冷媒」と呼ばれるガスが巡っているという。

冷房時はこのガスを通じて部屋の空気の熱を室外に出し、暖房時は室外の空気の熱を部屋の中に入れる、というのがエアコンの仕組みだ。しかし、配管が傷つくことでガスが漏れが発生し、触れてしまうと凍傷などの怪我をしてしまう可能性があるというのだ。

もしご自宅あるいは職場でエアコンの室外機が倒れている場合は、たとえほんのちょっとでもご自身で起こさずに、専門の業者を呼ぶようにしましょう。

今回の台風19号はとにかく大きな台風でした。もしかしたらまだこれから二次災害、三次災害が発生する可能性もあります。今回の経験を活かしつつ、くれぐれも台風への対策を怠らないようにしたいものですね。