今注目のブルーエネルギーとは?

私たちが普段利用している「電気」。いまや電気の無い生活、というのはもはや考えられないと言っていいでしょう。その電気を起こすためには、「発電」というプロセスがどうしても必要になります。発電の仕組みは、基本的には外部からのエネルギーを使って巨大な電磁石を動かすことで行います(太陽光発電などの例外もあります)。例えば火力発電、原子力発電などでは、火力や原子力でお湯を大量に沸かし、その蒸気でタービンを勢いよく回すことで、大量かつ安定した発電を行います。

火力発電・原子力発電・水力発電など、発電の「種類」は多くありますが、それらはほとんどがこの「電磁石を回す」ためのエネルギーを外部から受け取り、利用しているという形になります。逆に言うと発電に関するエネルギー問題とは、こうしたタービンを回すためのエネルギーをどうするか、という問題でもあるのです。

そうした中、現在「波」や「潮」などの海の力、つまり「ブルーエネルギー」と呼ばれるエネルギーを利用して、発電をしようという計画が多く進められています。波力発電や潮流発電などもこうした「ブルーエネルギー」を利用した発電だと言うことが出来るでしょう。

日本はその周囲を海に囲まれています。埋蔵資源などは確かに乏しく、原油などの発電に必要なエネルギーのほとんどを海外からの輸入に頼らないといけない我が国ですが、もしこの海のエネルギーであるブルーエネルギーを利用した大規模かつ効率的な発電方法が確立されれば、日本にとっては間違いなく朗報となるでしょう。

実はつい最近のニュースなのですが、こうしたブルーエネルギーを利用した発電としては、極めて画期的な方法が発見されたのです。

ナゾロジー:「海水と淡水が混じる場所」でエネルギーを生む電池が開発される

■海水と淡水が入り混じる場所で発生するエネルギーを使って、莫大な量の再生エネルギーを生み出す電池が開発された

■廃水と海水が急速に交換することで電流の向きが切り替わり、そのたびにエネルギーが取り戻されるため、事前のエネルギー投資も充電も不要

■廃水処理工場のエネルギー自給が実現すれば、電力使用や排気を抑制できるだけでなく、停電への免疫性も高まる

塩は力なり――。

まるで錬金術のような話ですが、海水と淡水が入り混じる場所で発生するエネルギーを使って、莫大な量の再生エネルギーを生み出す電池が開発されました。

(中略)

コストパフォーマンスが高く、耐久性のあるこの技術は、いわゆる「ブルーエネルギー」を動力化する鍵になりそうです。

ブルーエネルギーとは、海流同士がぶつかることで生み出された激しい潮流や高い波の力を発電に利用する構想のこと。この電池を使うことで、廃水処理工場のエネルギー自給が叶うかもしれません。

この技術は海水と淡水が混ざる場所であればどこでも使用可能という事です。それだけでも夢のような話ですが、例えば廃水処理として出た排水も利用できる、ということです。この技術を使うことで、いずれ廃水処理施設などでは、電気の自給自足が出来るのではないか、ということです。

実際のエネルギー効率がどれくらいなのかなど、まだまだ未知の要素が多くありますが、こうした技術が発展していけば、特に日本は周囲を海に囲まれていますので、エネルギー問題に対して大きな希望が持てることは間違いありません。これからの発展に期待していきたいですね。