見直しておきたい太陽光発電の弱点とは?

太陽光によって発電をする太陽光発電は、一時は原子力発電に代わる夢のエネルギーとして考えられていた時期がありました。確かに太陽光だけで発電が出来、温暖化ガスもゴミなども出さずに発電ができるのであれば、これ以上素晴らしいことはありません。しかし実際にはなかなかそう上手くいかないことも、現在広く知られるようになってきました。

太陽光発電の弱点としてまず考えられるのは、当然ですが「太陽光」を使って発電するために、太陽光が無い夜間や雨の時などには発電ができなくなる、という事です。特に冬などはただでさえ日照時間が少ないのに加えて、太陽光パネルに雪などが積もってしまい、さらに発電が出来なくなります。せんだって電気料金高騰の際に太陽光発電によって電気を補えなかったのには、こういう事情があったわけです。

この「夜間に発電できない」のは、太陽光発電の最大の弱点ですが、この弱点をなんとかして解消しようという動きがあります。

九州電力:揚水発電の特徴と仕組み

揚水発電所は、ふつうの水力発電所と同じように”水の力で水車を回して電気を作る”のですが、異なることは”発電のために使う水を汲み上げる(揚水する)”ことです。電気は貯めることが出来ないので水の形で電気を貯える「蓄電池」のような役割を担っています。
揚水式発電とは、発電所をはさんで上部と下部のダムを築き、水を貯えるための調整池を作り、上部調整池から下部調整池に水を流下させて発電します。電力の使用量が少ない時間に水車を逆回転させて上部調整池に水をくみ上げ、必要な時に水を流下させて電気を作ります。

(中略)

これまで揚水は、電気の使用量が少ない夜に水をくみ上げ、電気の使用量が多い昼間に電気を作っていました。
最近では、昼間の太陽光で発電した電気を利用して、揚水を行い、夜(点灯帯)に発電する機会が増えており、「再エネの導入拡大」にも貢献しています。

つまり太陽光発電で昼間発電をし、余った電力で揚水発電のための水を確保・移動しておくという事です。本来であれば揚水発電では電気が余った夜間などに、水の移動や確保を行うのですが、この方法ではそれが逆になるというわけです。なるほど、余った電気を有効に使うにはいい考えのように思います。

その他にも昼間発電した電気を蓄電池に貯めておき、夜間になったらその電池を利用するなどの方法もあります。このように太陽光発電を一日中利用していくためには、こうした工夫とアイデアが必要になります。

太陽光発電でもうひとつ問題になっているのが、太陽光パネルの廃棄方法です。

詳しくはリンク先を参照していただきたいのですが、太陽光発電の廃棄物問題として
1:放置・不法投棄の問題
2:有害物質の流出・拡散の問題
3:最終処分場の問題
などが挙げられています。

まず「放置・不法投棄の問題」ですが、「太陽光発電は儲かる」として参入してきた業者が、事業終了の際に費用などを問題として、太陽光パネルの廃棄を行わないのではないか?という懸念があります。本来であればそうした廃棄費用などを見越して事業を行うべきなのですが、ただ流行に乗っただけの業者の中には、そうした事は考えずに飛びついてしまうという所も、少なからずあるかもしれません。

「有害物質の流出・拡散の問題」については以前も書きましたが、太陽光パネルには鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれています。それらは然るべきところで然るべき処理を行わないとなりません。しかしこれも費用などの問題から、無視されてしまう事が起きないとは言えません。

「最終処分場の問題」ですが、現在大量に設置された太陽光パネルがいずれ寿命を迎えたときに、それらを大量に処分する場所が必要となるわけです。しかし上に書いたように太陽光パネルには有害物質が含まれていますので、専門のところでないと処分ができなくなってしまうのです。そうした廃棄パネルを大量に受け入れる最終処分場が必要なのではないか?というのは今から考えておかないと、いずれまた問題になるでしょう。

最初に書いたとおり、太陽光発電は一時期ブームとも言えるほどに、設置が進められました。しかしそうした一時的なブームの裏で、実際には多くあるデメリットなどが見えなくなっていたという事は、理解しないとならないでしょう。太陽光発電を導入するメリットは何か?本当に電気代が安くなるのか?何年くらい利用できるのか?処分などはどうすればいいのか?それらメリットとデメリットをしっかりと比較・理解したうえで、太陽光発電を導入していきたいものですよね。