長野県でのメガソーラー計画に「撤退」が検討されている、というニュース

つい先日、このようなニュースが入ってきました。

信毎Web:メガソーラー撤退検討 諏訪・霧ヶ峰近くに計画 業者、週内にも説明

諏訪市四賀の霧ケ峰高原近くで進む大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画で、事業者のLooop(ループ、東京)が、事業からの撤退を検討していることが15日、分かった。週内にも地権者に正式に説明する。国内有数規模の同計画を巡っては、荒廃する里山の活用策として期待する声がある一方、水源などへの影響や災害誘発への懸念が諏訪、茅野両市の市民らから出ていた。

ループは取材に、「(撤退は)現時点で決まっていない。地権者、ステークホルダー(利害関係者)を含めて協議している」とした。

メガソーラーとは大規模な太陽光発電システムの事です。現在はほとんどの原子力発電所が停止しているため、こうした太陽光発電所の開発が急ぎ求められているのですが、そこでこのような「撤退か?」という話が出るのは、少し意外なような気がします。

しかしこの工場電気ドットコムのコラムではすでに何度か書いてきておりますが、太陽光発電システムには実は数多くの問題点があります。特にメガソーラーとなると、広い平地が必要なので、場合によっては森林を切り開く必要があります。そうなった場合、記事中にもありますが、水源などへの影響や災害などへの影響も懸念されてしまいます。

また太陽光発電システムは台風や水害に弱い、という事も近年分かってまいりました。強風によって太陽光発電パネルが飛散してしまうこともあります。また例えパネルが水没していたとしても、太陽光が当たれば発電をしてしまいますので、感電などの危険性があります。一時は「環境に優しい夢のエネルギー」のように扱われてきた太陽光発電ですが、こうした事実が明らかになるにつれ、こうした負の面も取り上げられるようになってきました。

また固定価格買取制度も改定されてしまい、電力の買い取り価格が大幅に下がってしまいました。そうなるとせっかくメガソーラーを作っても、採算が合わなくなってしまう、という事は当然考えられます。そうした諸々の状況を踏まえての、「撤退」の検討なのでしょう。

いずれにせよこうした状況でメガソーラーを無理やり進めてしまう事は、原子力発電所の建設を一気に押し進めたことと、なんら変わりありません。大切なことは、環境に適した方法なのか、コストはどれくらいかかるのか、そしてリスクはどれくらいあるのか、しっかりと比較検討していくことでしょう。

今後の行方を見守っていきたいと思います。