新電力の真価が問われる時代が到来した

既に何度もお伝えしているように、2020年末から2021年初めにかけて、日本全国は大寒波に襲われました。更に悪いことにLNG発電の燃料となるLNGが世界的に不足し、その影響で発電が出来ずに、日本全国で電気の大幅な不足が発生いたしました。寒波の影響で大雪が降り、再生可能エネルギーである太陽光発電での発電はほぼ出来ない状態でした。

結果国内の電力卸価格が、大幅に高騰。これにより市場連動型の電気代プランを利用しているところは、電気代が10倍になるのでは無いか、と言われています。実際には10倍ということは無いでしょうが、今までよりはかなり高額になるのは間違いないでしょう。そして電力卸価格自体が上がった影響で、市場連動型プランを利用していなくとも、電気代が多少値上がりする可能性があります。

そもそも新電力、つまり「電力自由化」によって生まれた電気会社は、自社発電所を「持っていなくても」電気を販売することが出来ます。そのための電気の取引所が「日本卸電力取引所(JEPX)」です。そのために電気の卸価格が上がってしまうと、どうしても電気代を上げざるを得ないのです。

一方自社で発電施設を持っているようなところ、例えば旧地方電力会社などはそうですが、そうした所はわざわざJEPXで電気を購入する必要はありません。むしろ「売る側」だと言えるでしょう。もちろん発電用のLNGが不足しているわけですから電気代に全く影響が無いとは言えませんが、発電施設を持たないよりは値上げ幅が小さくなるといえるでしょう。

現在工場電気ドットコムでご提案させていただいている電気会社は、自社発電施設を持っております。また経営が安定したところばかりです。爆発的な高騰はありませんが、それでもやはり多少の影響は受けるといえるでしょう。

さて今回の事態を踏まえて、新電力各社の真価が問われるようになると思います。自社発電施設を持たない新電力は、どうやって今までよりも安定して電気を集めるようにすればいいのか。また発電施設を持っているところも、安定して大量の電気を発電するにはどうしたらいいか、色々と考えていかないとならないでしょう。

顧客側としても、今回の一件で単純に「安い」だけでは、新電力に乗り換えなくなるかもしれません。新しい付加価値が必要になるかもしれません。「安心」と「安全」を、今までよりも求めるようになるかもしれません。そうした新電力の見極めがより重要になってくるのは、間違いありません。

しかし考えてみると、電力自由化がスタートして実に20年が経つわけです。そういう意味では新電力業界にも、そろそろ新しい動きが出てきてもおかしくはありません。今後新電力業界がどのようになっていくかは分かりませんが、可能な限りそうした情報もお伝えしていきたいと考えております。

その他今回の電気代高騰について不安に思っていらっしゃる方、聞きたいことがあるという方は、お気軽にご相談ください。お電話でもメールでも構いません。