お風呂もトイレも使えない、オール電化住宅での停電について

先日の台風10号は超大型の台風でした。しかし事前に気象庁などが最大限の警戒を呼びかけたため、多くの人たちがあらかじめ避難などの対策をし、被害などはそれほど大きくはならなかったようです。しかしそれでも、台風による被害は当然ながら存在いたします。

朝日新聞デジタル:オール電化があだに、風呂・トイレ使えず…停電続く佐賀

台風10号による停電は、佐賀県内の一部で8日も続いた。唐津市の山間部などでは、住民たちが途方に暮れていた。

(中略)

近くの会社員の川原春美さん(57)宅は「オール電化」。お風呂が使えないのが最もつらかったという。料理はカセットボンベ式のガスこんろ。冷蔵庫は冷気が逃げないよう、なるべく開けないようにした。

ほかにも、別の男性(71)宅ではトイレが動かず、風呂の水をくんで流したという。

この停電は台風当時の話なので、すでに復旧しています。しかし停電の際には特に「オール電化住宅」では大変なことになってしまう、という状況が伝わってくるかと思います。

オール電化住宅は文字通り、全てのエネルギーを電気でまかないます。ガスコンロも当然ありませんし、お風呂を沸かすのも電気で行います。これが冬であれば、ガスストーブなどは無いため、暖房も全て電気だったことでしょう。しかしあまりにも全てを電気にしてしまうというのは、あまりにもリスクが大きい行為だという事が、お分かりいただけるかと思います。

もちろん電気コンロはとても便利ですし、ガスを使わないのでガス漏れなどの危険性はありません。そういった面ではガスによるリスクは無くなりますが、一度停電が発生してしまうと、全ての電化製品が使えなくなってしまうのです。

そういったリスクを考えて、オール電化住宅と家庭用太陽光発電パネルを併用する事が良くあります。太陽光発電パネルが備わっていれば、たとえ停電してもある程度の電気は利用可能になるのです。しかし太陽光発電ですので、当然のことながらもし夜間に停電が発生してしまった場合には電気を利用することは出来ません。一日中使えないよりはマシでしょうが、それでも停電が長引いた場合には、やはり不便な生活を強いられてしまう事になります。

オール電化住宅それ自体は、素晴らしいものだと思います。全てを電気で賄うことで光熱費などを安く済ませることが出来ます。しかし「リスク」という面から考えると、何かあった時にガスを使えるようなシステムなどは、残しておいた方がいいのかもしれません。台風の大きな被害を見た後だと、余計にそう考えてしまいます。