なぜ台風で停電が起きるのか?

9月17日に福岡県に上陸した台風14号は、そのまま日本列島を東へと進路を進めていき、18日15時には温帯低気圧となりました。今回の台風14号ではさほど大きな被害は出ませんでしたが、それでも水害被害や竜巻などに遭われた方もいらっしゃるかと思います。被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

台風は地震などの災害と違い、あらかじめ来る事が分かります。日頃から備えておいて、台風による被害を可能な限り小さくしておきたいですね。

ところで台風による被害といえば、水害の他に停電があります。では台風でどうして停電が増えるのでしょうか。今回は台風で停電が起きる仕組みについて考えていきたいと思います。

強風による影響

台風で停電が起きる原因は、なんといっても強風による影響が一番大きいでしょう。風速20mや30mの強風が吹くと、場合によっては電気を送ってくる送電線が切れてしまうことがあります。送電線が切れてしまうと当然電気は届かなくなってしまいます。これが台風で発生する停電のもっとも大きな原因でしょう。

しかし送電線それ自体は、単純に風で揺れたくらいではなかなか切れることはありません。風で切れるというよりは、強風により飛ばされてきた物、トタンや看板、などで電線が切断されることになります。特に近年では民家の屋根に設置された太陽光発電パネルなどが台風により巻き上げられて、電線や家屋などに被害を与えるケースが増えてきています。また電線自体が切れなくとも、飛び上がった物が電線に乗ってしまうとそこで送電がストップしてしまい、停電となるケースもあります。

大雨による影響

また強風以外の原因で停電が発生するケースがあります。例えば土砂崩れや洪水などで、送電線を支えている電柱が倒れてしまうケースが考えられます。電柱自体は倒れなくとも、土砂崩れや強風などで付近の木が送電線に倒れてきてしまい、停電する事もあります。住んでいるところに土砂崩れなどは起きなくても、他の場所で発生した土砂崩れなどの影響で停電が発生してしまうことも十分考えられます。

台風が去った後も注意

このように台風の時は強風や大雨のどちらでも、停電が発生する可能性が高くなります。どんなに小さな台風でも、あらかじめ停電に備えておくのがいいでしょう。また台風が去った後に切れた送電線などを見つけた場合、絶対近寄らないようにしてください。地面が濡れていると、そこから感電する危険性があります。切れた送電線を見つけた場合は、速やかに近隣の地方電力会社に通報するようにしてください。

最後に

台風といえばすぐに停電が連想されるように、台風と停電は切っても切り離せない関係にあります。近年では電線などを地中に埋めることで台風時の停電被害を減らす動きが出てきていますが、それが日本全土で実現するにはまだまだ時間がかかるでしょう。

繰り返しになりますが、台風が近づいたときには最低限停電への備えだけはするようにしておいてください。そうした心構えが、最悪の事態を防ぐことに繋がります。