ガソリンスタンドに電気自動車の充電器が併設されない理由とは

ガソリンの代わりに電気を利用して走る。電気自動車もずいぶんと普及してきたように思います。しかし電気自動車用の充電施設も数がまだまだ少なく、探すだけでも一苦労と思われた方もいるのでは無いでしょうか?せめてガソリンスタンドに併設されていたらなあ、と考える方もいらっしゃるかと思います。実はつい先日、このような記事がアップされていました。

WEB CARTOP:効率的にみえるけどナゼやらない? 「ガソリンスタンド」にEV用の急速充電器を併設しないワケ

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のための充電器が、ガソリンスタンドに併設されない理由は明快だ。理由は二つある。一つは、給油と違って充電には時間がかかること。二つ目は、電気料金を徴収しても儲けにつながらないからだ。

給油は5分ほどで終わるといわれているが、充電は、急速充電でも30分はかかる。それだけクルマを止めておくなら、ほかに何もすることのないガソリンスタンドにいる必要はない。コンビニエンスストアやファミリーレストラン、あるいはスーパーマーケットなど、買い物や食事などのついでに充電すればよく、充電のために立ち寄ったり出かけたりするのは不合理だ。

したがって、充電の基本は自宅での普通充電だといわれるのである。家には少なくとも食事や睡眠などで数時間はいることになる。その間に充電すれば、充電のためにわざわざ時間を割く必要がない。

なるほど、書かれている理由を見るともっともな気がします。しかしこの記事は重要なポイントを見逃しています。それは「ガソリンは引火しやすい」ということです。

セルフのガソリンスタンドなどを利用された方ならお分かりかと思いますが、利用するまえに「静電気除去シート」に触れるように促されます。これは体にたまった静電気を逃し、除去するためのものです。特にガソリンは気化すると、ちょっとのことで引火してしまいます。ガソリンが気化しているところに、静電が放電してしまうと…考えただけで大変なことになるという事がわかるでしょう。そうした事情もあって、ガソリンスタンドなどでの急速充電器の設置に対して、法令で定められています。全く設置できないわけでは無いのですが、厳しい基準が定められています。

そうした事情などもあるがために、ガソリンスタンドにはなかなか充電施設を併設しようという動きにならないのでしょう。もちろん基準をクリアして、併設させているガソリンスタンドも少なからずあります。

日本で今よりも電気自動車用が普及するためには、こうした充電施設の設置が課題となります。そうした動きも「脱炭素社会」を目指すにあたって、これから急速に進んでいくのは間違いないといえるでしょう。