冬に頻発!身近な電気 静電気について

この時期、ドアを開けようとしてドアノブに触れた途端に「バチッ!」と来る衝撃を体験した方は、かなり多いのでは無いでしょうか。そういわゆる「静電気」です。静電気は私達の日常的な暮らしにとても身近な存在です。上に書いたようなドアノブの他にも、セーターなどを脱いだ時にも感じることがあります。子供の頃、下敷きを頭でこすって髪の毛を立たせたりする遊びをやった方も多いのでは無いでしょうか。

そこで今回は身近な電気である「静電気」について書いていきたいと思います。

そもそも静電気とは?どうやって起きる?

「静電気」という名前からも分かるように、静電気も当然のことながら「電気」です。一般に静電気の電圧は、人体に感じるほどの静電気であれば、およそ3,000Vはあると言われています。これは大変な電圧ですが、流れる電流自体がものすごく少ないために、少し「バチッ」と来るだけで済んでいます。ではこの静電気はどうやって起きるのでしょうか。

私達含めて、私達の身の回りにあるものはすべて「電気」を持っています。更にいうとプラスの電気とマイナスの電気を、同じだけ持っているのです。ところが何か2つの物が触れ合ったり衝突したり摩擦したりする時、マイナスの電気が片方からもう片方へ「奪われてしまう」という事が起きます。この時、片方はマイナスの電気が多い状態、もう片方はマイナスの電気が少ない状態、つまりそれぞれバランスが崩れた状態となっています。この状態の事を「静電気」と言います。そして静電気を帯びていることを「帯電」とも言います。つまり静電気にはプラスに帯電した状態と、マイナスに帯電している状態の二種類がある事になります。

このように電気のバランスが崩れた帯電状態の物同士、特にプラスに帯電しているものとマイナスに帯電しているものが近づいた場合、マイナスの電気はプラスに帯電しているものの方へ流れていきます。つまり「放電」するわけです。これがつまりドアノブに触れた時や金属のものに触れた時の「バチッ」になるわけです。ややこしいようですが、私達が普段「静電気」と呼んでいる状態はまさにこれなのですが、正式には「静電気によって発生した放電」ということになるのです。

静電気を防ぐには

それでは静電気を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。先程も書いたように静電気とは「電気のバランスが崩れた状態」のことを言います。つまりこの電気のバランスを戻してあげれば、静電気は防げることになります。特に金属は電気を急激に流すために「バチッ」となりやすくなります。ですので、あらかじめ電気をゆっくりと通す素材に触れて、帯電したマイナス電気を放出してしまえばいいのです。

また「バチッ」となるのは、電気が指先などの細いところなど一箇所から急激に放電をするためです。そこでドアノブを指先で触れるのでは無く、手のひらや手の甲などの広い面積で触れるようにすれば放電が分散されるために、痛みを感じづらくなります。また同様に金属質のものを持って触れるようにすれば、放電するのは持っているものの先からになりますので、これも痛みを感じなくて済みます。

静電気で注意するべきこと

先程も書いたように静電気は電圧自体は高いのですが、流れる電流は大したことはありません。ですので、人体にはそれほど大きな影響を与えることはありません。しかし精密機械、特にこのページをご覧になっているような製造業の皆様の工場にあるような機械ですと、静電気のせいで機械の部品が使えなくなってしまう、という事もあるかと思います。有名な例では自作パソコンなどを組み立てる場合、静電気が発生しただけで部品が使えなくなってしまうので、細心の注意を払わないといけないと言われています。こうした状況を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。

静電気が発生する条件には、気温の低下と湿度の低下が大きく関わってきます。特に湿度は重要となってきますので、部屋を加湿する、適度な水分を保つようにする、という事は重要になってきます。また洋服の素材によっては静電気が発生しやすくなってしまいます。そうした衣服の組み合わせにも細心の注意を払うべきでしょう。

特に製造業などの場合、静電気を除去する装置などを設置されているところもあるかと思います。ガソリンスタンドなどでは静電気で火花が飛ぶと大災害に繋がってしまいますので、静電気除去パッドなどが置かれているところもあります。そうした静電気除去装置をしっかりと利用することで静電気を除去し、生産作業など様々な業務に携わっていかれるのが最も良い方法だと言えるでしょう。

最後に

今回は静電気について書いてきました。静電気は日常的に発生するものであるからこそ、最大限気をつけていきたい物ですよね。特に精密機械などに触れる可能性のある方は、静電気除去を徹底された方がいいかと思います。常日頃から静電気を発生させないような衣類、発生してもバチッと来ないようなふるまいなど、気をつけていきたいものですね。