電気自動車は豪雪の中でも快適に走るのか?

つい先週のことですが大雪のために、関越道で自動車が1,000台も立ち往生してしまったことがありました。

FNNプライムオンライン:関越道 車1000台立ち往生中 スノボ女性雪に埋まり死亡 6集落が孤立

12月17日午後1時の積雪が平年の約8倍の183cmにのぼった新潟・湯沢町では、前日から相次ぐ車の立ち往生が深刻な事態となっていた。

中略

警察によると、関越自動車道では1,000台を超える車が立ち往生していて、解消のめどは立っていない。

新潟県は、立ち往生の解消や車内にいるドライバーの安全確保のため、自衛隊に災害派遣を要請。
それを受け、政府は現地へ陸上自衛隊員、約100人の派遣を決めた。

季節外れの大雪だったせいもありますが、大変な事態だったことは想像に難くありません。ところでこうした事態はガソリン車でも当然大変なのですが、電気自動車の場合はどうなるのでしょう?ガソリン車の場合、暖房はエンジンの余熱で行うことになります。しかしこうした状況で電気自動車の電気は、果たしてどれくらい保つものなのでしょうか?

WEB CARTOP:電気自動車は冬が苦手! エンジンが「ない」ことで存在するデメリットとは

このクルマの暖房、通常のエンジンを搭載しているクルマであれば、エンジンから発生する熱を利用しているのだが、熱源のない(小さい)モーターで駆動する電気自動車は排熱を利用することができない。そのため電気自動車は貴重な駆動用バッテリーを消費して熱を発生させ、暖かい風を生み出しているのだ。

つまり、極寒の地で暖房をガンガンに利かせながら走行するのは電気自動車が苦手とするところで、航続距離も短くなってしまうのである。

そもそもバッテリー自体は、極寒の状態では上手く動作しないというデメリットを持っています。寒い場所でスマホを使っていると、すぐに電気が無くなってしまうという体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。やはり基本的に極端に寒い場所などでの走行では、電気自動車のバッテリーが急速に減っていくと考えておいた方がいいでしょう。

その一方で、電気自動車はガソリン車よりも雪上を上手く走れるというメリットもあります。

しかし、モーター駆動と冬の相性は悪いだけではない。エンジンを搭載しているモデルに比べて綿密な出力コントロールが可能なモーターは滑りやすい路面でのコントロール性が非常に高いのだ。滑りやすい路面で車両を制御するのはさまざまな電子デバイスが使用されているのはご存じのとおりであるが、その制御が非常に細かくできるため、雪道走行の安定性が極めて高くなっている。

つまり電気自動車はガソリン車に比べてコントロール性能が非常に高くなっているので、雪道の走行は非常に安定したものとなっているのです。以下のリンク先にも同様の実験結果がありますので、興味ある方はご覧ください。

このように単純に雪道の上を走るだけであれば、電気自動車の方がスリップなどを起こさずに快適に走ることができます。しかし大雪などで立ち往生してしまった場合、バッテリーの急速な減りが心配されるということになります。冬などは特にこまめに充電をしておいた方がいいかもしれませんね。

そもそも2日も3日も閉じ込められてしまうような大雪では、電気自動車であってもガソリン車であっても、結局は同じことのように思ってしまいます。いずれこうした問題は、当然メーカーの方でも把握しているでしょうから、いずれ技術的に改善されるのは間違いありません。なにごとにもメリット・デメリットは当然存在します。そうしたメリットとデメリットを比較検討して、電気自動車を使うかどうかを決めていくのが、一番正しいやり方では無いでしょうか。