工場を持たない製造業について

「製造業」と言った場合、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。多くの方は「自社で工場を持って、自社で製品を製造・製作している企業」だと思われるかもしれません。もちろんそれは間違ってはおりませんし、実際に多くの製造業は工場を持っております。

しかし近年のことですが「工場を持たない製造業」が増えています。「工場を持たない製造業」とは、一体どのような製造業なのでしょうか?工場を持たずに生産活動が出来るのでしょうか?この「工場を持たない製造業」には実は二種類あると考えられます。

生産拠点を外国に持っているパターン

まず一つ目のパターンですが、工場などの生産拠点を全て外国に持っているようなパターンです。これは厳密にいうと「工場」それ自体は持っているのですが、生産拠点が外国にあるために日本での生産活動はしておりません。そのために「工場を持っていない」ように見えてしまうわけです。

ただし上にも書いたように、これは厳密には「工場」を持っているわけですから、「工場を持たない製造業」に入れていいものかどうかは、判断がつきかねる所です。しかし今や多くの製造業が、このように日本国内でなく海外に生産拠点を持つようになっているのは、間違いないと言えるでしょう。

生産拠点そのものを持っていないパターン

そしてもう一つが、本当に生産拠点を持っていないパターンです。生産拠点を持たずにどのようにして生産活動を行っているのか、というのは疑問に思われるかもしれません。実はこのような製造業は、製品の生産活動などを全て自社では無く他社に委託して行っています。こうした経営方式を「ファブレス経営」と呼びます。「ファブレス」の「ファブ」は工場、「レス」は無い、という意味です。

実はこうしたファブレス経営の製造業が、近年大きく躍進しております。代表的なところはアメリカのアップル社でしょう。アップルはiPhoneなどの基本方針や基本設計などは行いますが、実際の製作は全て他社にまかせています。ただし製品の品質維持や工程などは、全てアップルにてコントロールをしており、それにより一定のクオリティを保っています。

日本企業では無印良品が、やはりファブレス経営です。コンセプトを作り、製品を他社工場に委託して製造しています。そしてそのコンセプトの下に製品デザインや流通、販売までもコントロールして、一定のクオリティにしています。こうしたファブレス経営の製造業は、まだまだ多く存在します。

ファブレス経営のメリット

こうしたファブレス経営の多くは、コンピューターやIT関係の企業が多いのが特徴です。そのメリットとしては、自社ではコンセプトを作ることや研究開発などに集中できるということです。また生産設備などに資金を投入する必要が無いので、利益率が高いということもあげられます。また市場の変化にも臨機応変に対応できるというのも、ファブレス経営のメリットの一つとして考えられるでしょう。

ファブレス経営のデメリット

しかし製造業務を他社に委託する、ということには当然のことながらデメリットも多くなります。やはり生産管理や品質管理などは、単純に自社製造で行うよりも困難だと言えるでしょう。また場合によっては情報漏えいなどの対策も行わないとなりません。製造を委託した業者が、そのノウハウを生かした製品などを勝手に作らないようにするために、契約などはしっかりと整えておかないとならないでしょう。そうした法律的な事まで考えないといけないのは、面倒だと言えば面倒かもしれません。

最後に

今回書きましたように近年「製造拠点を持たない」製造業も多く増えてまいりました。この工場電気ドットコムでは、工場などの製造拠点の電気代を値下げすることに特化しております。しかし製造拠点のみならず、例えば自社ビルや開発センターなど、高圧電気を利用している施設であれば、工場などと同様に電気代をより大幅に値下げすることが可能です。

「自社には工場が無いんだけれども、電気代を値下げしたい」と思っていらっしゃる製造業の方がもしいらっしゃいましたら、まずはお気軽に工場電気ドットコムまでお問い合わせください。