環境に優しい!太陽光発電について

太陽光発電は、いわゆる「再生可能エネルギー」のひとつに数えられています。この数年で特に話題になってきた感じがあると思います。今日はその太陽光発電について、見ていきたいと思います。

太陽光発電の仕組み

そもそも太陽光発電は、どのような仕組みで太陽光から発電をしているのでしょうか?

太陽光発電のしくみ

太陽光発電には「太陽電池」が必要になってきます。「太陽電池」はP型シリコン半導体とN型シリコン半導体を張り合わせたものになっています。P型シリコン半導体は、プラスの電気を帯びやすい性質があります。一方のN型シリコン半導体は、マイナスの電気を帯びやすいという性質があります。

この性質が異なる二つの半導体を重ねあわせて出来ている「太陽電池」に光を当てると、「光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)」とか「光電効果(こうでんこうか)」という現象が発生します。つまり二つの半導体の接合面を境に電気が発生するのです。光がエネルギーがあたっている限りは、電気を発生しつづけるのが特徴です。

そしてこの太陽電池をたくさん並べたものが、いわゆる「ソーラーパネル」と呼ばれているものになります。更に広い土地に大量のソーラーパネルを並べたものが「メガソーラー」です。

太陽光の発電量

さて太陽光発電ですが、一体どれだけの電気を発電することが出来るのでしょうか?一般的な家庭用のソーラーパネルを例に考えてみましょう。

上記参考ページよると、20枚の太陽電池モジュールで、年間4,900kWh以上を発電できるとなっています。これはおよそ一般的な家庭の一年間の消費電力とほぼ等しくなります。つまりソーラーパネルがあれば、家庭で使用する電気はほぼ賄える計算になりますね。

それでは各家庭にひとつずつソーラーパネルを設置すれば、電力問題は解決するのでしょうか?そう上手くいかないのが現状です。この件については、また後で触れることになります。

太陽光発電のメリット

では太陽光発電のメリットを考えていきましょう。まずなんと言っても、太陽のエネルギーを利用するので、別にエネルギーなどを購入する必要がありません。エネルギーなどが必要無いということは、二酸化炭素などの温暖化ガスを排出することもありません。「クリーンエネルギー」と呼ばれる所以ですね。

またオール電化住宅などで話題になりましたが、余剰電気は電力会社が買い取ってくれるというメリットもあります。電気代を払わないどころか、買い取ってくれるというのは確かに魅力ですね。

オール電化住宅について

また太陽光で発電をしていれば、周囲一帯が停電になっていたとしても、自分の家だけは電気が使える、という事も考えられます。

太陽光発電のデメリット

では続いて、太陽光発電のデメリットを考えていきましょう。

太陽光発電には当たり前ですが「太陽光」が必要です。しかしご存知のとおり、晴れた日ばかりではありません。特に梅雨の時期などは曇りが続いてしまうでしょうし、冬になり大雪が降ってしまうと、発電量が少なくなってしまいます。もちろん夜間は全く発電出来なくなってしまいますね。つまり太陽光発電は発電量が安定しない、と考えることが出来ます。
実際2018年1月の大雪で、東京電力は太陽光発電による発電ができず、十分な電力が準備できないという事態に陥っていたようです。

参考:デイリー新潮 大雪で大停電寸前だった首都圏 使えない「太陽光」に血税を流した戦犯は
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/03060800/?all=1

またソーラーパネルの設置場所の問題もあります。屋根の大きな家であれば問題は無いでしょうが、そんなに広い屋根の家ばかりではありません。ソーラーパネルを設置できても、パネルの重さに屋根が耐え切れるかどうか、という所が問題になってきます。

またソーラーパネルの設置など、初期費用にコストがかかります。ソーラーパネルの金額もありますし、屋根が重みに耐え切れるようにする工事なども必要になってくるでしょう。またパネルが破損した場合など、定期的な交換やメンテナンスなども必要になってくるでしょう。

特に台風や地震があった時など、パネルが落下してしまう危険性もあります。普通程度の災害であれば耐え切れるように設計はされていますが、何百年に一度レベルの大災害が来てしまった場合、パネル落下の危険性が高まると言えるでしょう。

また個人の家庭用の発電であればいいのですが、大量の電気を作る場合には、ソーラーパネルを設置する広い土地が必要になってきます。パネルを設置するために山林を切り崩してしまっては、たとえ温暖化ガスを排出しないといっても、環境に悪影響を及ぼしてしまうでしょう。

まとめ

太陽光発電まとめ

今回は太陽光発電について見てきました。一時期は確かに発電量は少なかったのですが、今はより多くの発電が出来るようなパネルも作られてきていて、それなりに利用できるようにはなってきています。

しかし「天気」によって発電量が左右されてしまう、という問題からは逃れることは出来ません。特に日本は南北に長く、地域によって年間の太陽光の照射時間がかなり差が出てきてしまうのが現状です。地域によってはあまり恩恵を受けることが出来ないかもしれません。その辺りも、あらかじめ調べておく必要があるでしょう。

特に「再生可能エネルギー」と呼ばれる、自然を利用した発電方法は、その土地の地質や天気に左右される面がかなり大きいです。特に日本は山が多く、地方により環境がかなり違ってしまいます。ですので例えば太陽光発電で国の電気を全てまかなおう、というような運用では無く、この辺りは天気が安定しているので太陽光発電を優先、この辺りは地熱が利用できるので、地熱発電を盛んにしていく、といった「地域性」を考慮した発電方法を考えていくことが、これからは必要なのでは無いでしょうか。