深刻な電力不足と電気代高騰のダブルパンチ

ここしばらく日本列島に続く大寒波とそれに伴う電力不足について、東京電力が「電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて」というメッセージを出しました。

TEPCO

電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて

本日(1/12)の東京電力パワーグリッドサービスエリアの電力需給見通しは、使用率(ピーク時)が95%(予想最大電力:5,193万kW、供給力:5,432万kW)と厳しい状況となっております。

大変ご迷惑とご心配をお掛けし誠に申し訳ありませんが、寒波の中での暖房などのご使用はこれまで通り継続いただきながら、日常生活に支障のない範囲で、照明やその他電気機器のご使用を控えるなど電気の効率的な使用にご協力いただきますようお願いします。

このようなお願いが出ること事態がまず異例ですし、電気使用率95%は、かなり危険な水準だと言えます。「あと5%もあるじゃないか」という見方は、ハッキリ言って間違いです。ほんのちょっと需給バランスが崩れただけで、広範囲に渡るブラックアウト(大規模停電)が発生する恐れがあります。

また同様に中部電力も節電への協力要請を出しています。

中部電力:中部エリアの電力需給状況と節電へのご協力のお願いについて

その内容としては、厳しい寒さによる大幅な需要増や悪天候による太陽光発電の出力減などにともなう全国的な電力需給のひっ迫を受け、日常生活に支障のない範囲で、電気の効率的な使用のご協力をお願いするものです。

1月10日の段階ではまだ中部電力管内も余裕はあったようですが、そうなると他の地方へ電力を回さないとならなくなります。しかも現在日本海側では記録的な大雪になっていますので、いつ需給バランスが崩れてもおかしくない状況になっていると言えるでしょう。

そしてこの電力不足によりJEPXでの電気価格が上がってしまい、電気代を上げざるを得なくなった新電力会社も出始めています。

自然電力グループ:日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ(第4報)

◆12月26日からのご請求に関する値引き措置について
12月26日からの日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格の高騰に関しまして、自然電力ではこの度、以下の内容で値引き措置を実施することといたしましたのでお知らせいたします。

・措置内容
 お住まいの地域の大手電力会社の電気料金を基準として、それを超える分の電気料金につきまして、30,000円を上限として電気料金より値引きさせていただきます。
 (1月7日にご連絡いたしました事業運営費をゼロとする対応に加えて、上記値引き措置を実施いたします)
 現時点の電気料金をご確認いただける機能を本日マイページにてリリースいたします。また、基準となる大手電力会社の電気料金との比較について、追ってマイページでご確認いただけるよう準備しております。

地域の電力会社の価格から比べて3万円分までは値引きする、という話なのですが、本来であればそれ以上の価格になっている、という事になります。そして値引き分は当然ですが持ち出しという事になります。電気代の高騰はもちろんですが、今後の経営状態もかなり心配されるような状態になってしまっています。

この寒波による電力不足は、まだ当面続きそうです。もちろん最悪の事態、ブラックアウトを回避するべく、電力会社では相当の努力をされていると思います。情勢を見守りつつ、また何かあったら、続報を書いていきたいと思います。