東村山市の工場にお教えしたいでんき予報について

東村山市について

東京の多摩地域北部、狭山丘陵の東にある街、それが東村山市です。東京都民の水がめである村山貯水池も、この東村山市にあります。歴史的には旧石器時代の遺跡などが出土していることもあり、かなり古くから人が住んでいることが分かっています。

西武新宿線が通っていることもあり、ベッドタウンとして開発が進められました。そのために住宅地のイメージがありますが、山崎製パンやサンフードジャパン、浅田飴など、食料品関係の工場が多くあるのも特徴です。

そんな東村山市の工場の皆様にしっておいていただきたいのが「でんき予報」についてです。

でんき予報について

各地方電力会社のホームページには、その当日及び翌日(18時以降)の電力使用量の予想量が表示されています。東京電力の場合は「でんき予報」と呼ばれています。これは電力需給の予測データを表示したものとなります(5分ごとに更新されます)。

でんき予報

でんき予報が表示されている理由としては、停電の回避が大きな目的となります。このでんき予報を見ることで、その地域のこれから一日の電力需要の値が分かります。メーターが緑色の時は、電力需要に対して供給が余裕のある時。黄色い時は電気の需要に対して供給が余裕が無くなりつつらう段階です。そしてメーターが赤くなった時は電気の需要に対して供給が追いつかなくなりそうな時を現しています。電力需要に対して電力の供給が追いつかなくなるとどうなるのでしょうか?

2018年9月の北海道胆振東部地震では、北海道地方に大停電が発生してしまいました。この大停電は地震の影響で苫東厚真火力発電所が停止したため、電力の需要に対して供給が追いつかなくなってしまったために発生したことが分かっています。電気の需要と供給のバランスが崩れると、大停電が起きてしまうのです。

そうした大停電が起きないように、企業や各家庭に注意喚起を促す目的で、この「でんき予報」は作られました。でんき予報のメーターが赤くなった時などは、自発的に節電をしてもらうのが目的です。そうして大停電を回避するのが、でんき予報の目的です。

電気は需要が多くてもダメです。反対に供給(発電)が多くてもダメなのです。両方のバランスが取れていないと、大規模な停電などが発生する危険性があります。

でんき予報は、夏よりも冬にメーターが赤くなる傾向があります。実は電力使用量は夏よりも冬の方が高いのです。夏には冷房、冬には暖房を使うので、そういう意味では夏も冬も電力利用料はあまり変わらないイメージがあります。しかし冬は太陽が出ている時間が短いため、照明を使う時間がおのずと長くなってしまいます。つまり暖房を使う時間と照明を使う時間が重なってしまうため、電力使用量が高くなってしまうのです。一方夏は太陽が出ている時間が長いので、照明をつかう時間も短くて済みます。また照明を使う夜間には逆に涼しくなるので、冷房により使われる電力量が減ってきます。その差が、夏と冬の電力使用量の違いとなっているのです。

特に冬場、雪などが降ってしまうと暖房も設定温度を上げざるを得なくなるので、どうしても電力使用量が増えてしまいます。真冬の雪が降った時などにでんき予報を見ると、メーターが常に真っ赤になっているのが分かるかと思います。もしもそのような時に電気の需要と供給のバランスが崩れて大停電が起きてしまったら、どうなるでしょう?とても大変な事になってしまうのは、想像に難くないと思います。電力の需給バランスは、私達が思っている以上に大切なことなのです。

もちろん私達が日々節電を心がける、という事も大事なのですが、現状の電力供給をもっと大量かつ安定化させるという事も大事です。特に現在日本では、大量かつ安定して発電が出来る原子力発電所の多くが、稼働を停止している状態です。福島原発事故の影響によってのことなのですが、逆にいつまでもそれを引きずっていていも仕方がない事なのでは無いでしょうか。火力発電では、燃料となる原油を海外から輸入しないといけません。原油産出国である中東は政治的に不安定でもありますので、ちょっとした事で原油の輸入が出来なくなってしまう恐れもあります。またそうした原油の購入費用は、私達の電気代に「燃料費調整額」として上乗せされていて、これが現在の電気代高騰の理由の一つになっています。

私達が安心・安全・安価に電気を使うにはどうすればいいのか、今一度見直す時期が来ているのでは無いでしょうか。