真冬にスマートフォンを使うときに注意しないといけない事とは?

「冬はスマートフォンのバッテリーが早く切れる」というような噂話を聞かれた事がある方も、いらっしゃるのでは無いでしょうか?実際に真冬になると、スマートフォンやタブレットなどのバッテリーがいつもより早く無くなる、という経験をされた方もいらっしゃるかと思います。特に寒い地方などにお住まいの方は、より身近に感じられているのでは無いでしょうか?

結論を言ってしまうと、「冬はバッテリーが早く切れる」という噂は「本当」のことです。

i+Remaker:iPhoneは冬に弱い!?寒い時のバッテリーの消耗が早い理由と対策

なぜ冬はiPhoneのバッテリーにとって厳しい季節なのか
冬、寒い環境の中でiPhoneを使うとバッテリーの消耗が激しいのは、リチウムイオン充電池を使っているためです。リチウムイオン充電池は寒くなると貯まった電気をうまく引き出す働きが鈍くなるという特徴があります。バッテリーの性能が悪くなったように見えますが、低い気温の影響で本来持っているバッテリーの性能が発揮されないというのが実際の理由です。

実験データが実証する気温によるバッテリー性能
スマートフォンが気温によってどの程度バッテリーが消耗するかを調べた実験があります。室温25度の場合はバッテリーが残り10%になるまで1時間47分でした。一方、気温8度の環境では残り10%になるまで19分早い1時間28分しか掛かりませんでした。

バッテリーが減っている状態で使い続けていると19分というのはかなり大きな差です。このように、寒い季節ほどバッテリーの消耗が激しいと感じるのは実験データからも事実であると確かめられました。

このように寒い季節は、スマートフォンなどに使用されているリチウムイオン電池がその性能を十分に発揮できなくなります。そのためにバッテリーの減りが早くなってしまうのです。

こちらのページにより詳しい仕組みが書かれています。

TIME&SPACE :「寒い日やスキー場ではスマホ電池の減りが早い」は都市伝説? 結露など冬の注意点も

――どうして寒くなると電池のパフォーマンスが落ちるのでしょうか?

一般的な電池の特性なのですが、低温環境では電池の内部抵抗が大きくなってしまいます。また、前回「電池内部の電解液をイオンが移動することで結果として電流が流れる」ことをお話ししましたが、温度が低くなると電解液の粘度が上がってしまいイオンが移動しにくくなるのです。

もうひとつは、高温ほどではありませんが、低温環境も電池の劣化要因になりますので、寒くなりすぎる場合は、スマートフォン側で電池保護のために電力の供給小さくしてしまう場合があるというのが、ふたつ目の理由です。

つまり気温が下がると、電池内部の電解液の粘度が上がってしまい、結果として発電効率が悪くなってしまうということです。そして一つだけ注意しておきたい事は、これは決して「故障では無い」ということです。部屋の中などの、暖かい環境で利用すればいつもどおりにバッテリーが保つようになります。

しかしどうしても外でスマートフォンやタブレットなどの、バッテリーを利用している機器などを利用しないとならない時もあるかと思います。そのような時には可能な限り暖かい環境で保護しておく事が必要でしょう。スマートフォンであればスマホカバーなどをつける事で、極端に寒い外気に触れることを、少しでも減らすことが可能です。

またもうひとつの注意点として、極端に寒い環境で充電をすることはやめた方がいいでしょう。バッテリーの温度が極端に低いときに充電をすると、バッテリーの性能が極端に劣化することになります。このような場合は極端に寒いところを避けて、暖かい場所で機械自体がある程度温まってから、充電をすると良いでしょう。

また冷たい環境だけでは無く、極端に暑い温度もバッテリーには大敵です。寒いからといって暖房の前にスマートフォンを置いたり、熱のあるカイロなどのすぐそばにバッテリーがある物を置いたりしない方がいいでしょう。特に注意したいのは、自動車の中です。自動車の中にバッテリー機器を放置しておくと、夏は日光などで室温が極端に上がりますし、冬は暖房が無いので室温が極端に下がります。バッテリー機器は自動車の中に放置せず、たとえ面倒でも都度持ち出すようにしましょう。

暑い温度も寒い温度も、精密機器であるバッテリーにとっては苦手な環境です。間違った利用方法で暑いところや寒いところに放置すると、故障や寿命が短くなる原因となってしまいます。機械は正しい利用方法を理解して、正しく使うことが大切ですね。