電気はどのようにして使われるようになってきたのか?

普段私達が何気なく使っている「電気」ですが、そうして何気なく電気を使えるようになるまでには、実に多くの時間と人々の努力があります。今回はそうした電気の歴史について書いていきたいと思います。

と言っても、電気そのものは私達人間とは無関係に、太古の昔から存在していました。私達人間は自然界にある電気を発見して、利用できるようにしてきただけです。例えば古代エジプトなどでは、既に魚類が発生させる電気ショックについて知られていた事が分かっています。

人類が発見したという事でいえば、紀元前600年のギリシャまでさかのぼります。ターレスという哲学者が、琥珀を布でこする事で糸くずなどが吸い寄せられるという事を発見しました。つまり「静電気」が発見された、という事です。

「電気の発見」という事でいうと、もっとも有名なのはアメリカのベンジャミン・フランクリンでしょう。1752年、針金をつけた凧を上げて雷が電気である、と発見したのはあまりにも有名です。またフランクリンは、この他にも避雷針を発明するなど、近代における「電気」という分野において、とても重要な位置にいます。

一方日本では江戸時代の科学者である平賀源内が、1776年に静電気を利用したエレキテルという機械を発明いたしました。これは元々はオランダから持ち込まれた機械で、電気ショックで体を治療するという物でした。つまり電気自体はそれ以前から既に利用されていた、という事になりますね。

このように近代では、18世紀に電気にまつわる多くの事は発見されてきました。そして19世紀になると、それがさらに加速することになります。

1800年にはイタリアの哲学者ボルタが、銅と亜鉛そして食塩水を組み合わせることで、電気が発生することを発見しました。これが「電池」の発明です。この功績により、ボルタの名前は電圧の単位である「ボルト」として、つけられました。1820年にはフランスの物理学者アンペールにより、電気と磁石の関係性が明らかになってきました。電流の単位である「アンペア」は、このアンペールにちなんでつけられた物です。その発見を受けて1831年にはイギリスの科学者ファラデーが、コイルのそばで磁石を動かすことで電気が発生する、という事を発見いたしました。そう「発電」の発見です。これを皮切りに、多くの発電機・発電方法が考案されることとなり、電気の需要は一気に高まることとなりました。

そして1879年に有名な発明家、トーマス・エジソンが電球を発明したことで、私達の生活に電気が一気に普及します。電気と私達の生活は切っても切り離せない生活になったのです。

ちなみに日本に始めて電灯がついたのは、1878年3月25日のことです。現在の東京大学工学部のホールに、アーク灯という種類の電灯が設置されました。これを記念して、3月25日は「電気記念日」となっています。そしてそれを皮切りに、日本国内にも電灯が多く普及していき、電力会社なども設立されていきました。

このように電気それ自体は紀元前から発見されており、小規模ではありますが利用されていました。しかし人為的に電気を発電し大規模に利用するようになったには、19世紀以降のこととなります。こうした多くの偉人達の発明・発見の歴史の上に、今の私達の電気生活は成り立っているのですね。