日本で太陽光発電が普及しない3つの理由とは?

「再生可能エネルギー」と言った時に、皆さんは一体何を思い浮かべるでしょうか。恐らく多くの方は太陽光発電を思い浮かべるのでは無いかと思います。それほど太陽光発電は「環境に優しい」というイメージがついています。しかし近年太陽光発電が持っている「環境に優しい」というイメージが、疑われはじめています。更にいうならば、太陽光発電はそもそも日本には馴染まないものでは無いのか?という意見さえ出はじめています。では一体どうして太陽光発電は日本には馴染まないのでしょうか?

理由1 平地が少ない

まず一つ目の理由として、日本には平地が少ないというのが挙げられるでしょう。いわゆる「太陽光発電」のイメージとして、太陽光発電パネルが屋根の上に置かれていたり、周囲に木々が無い平地に置かれていたり、というのを思い浮かべるかと思います。これは実際その通りで、太陽光発電は太陽の光で発電するわけですから、あまり陰にならない所に設置するのが前提です。屋根の上などはいいのですが、平地となると日本では意外と少なくなってしまいます。

特に大規模なメガソーラーとなると、ある程度の広さが無いとあまり意味をなしません。そのために雑木林や山林などを切り開いて、太陽光発電パネルを設置することが多くなります。結果として緑が減ってしまい、「環境に優しい」というスローガンとは矛盾してしまいます。また山林を切り開くような場合には、山の保水力が失われることになってしまい、土砂崩れの原因となってしまうことも考えられます。日本の国土のおよそ75%は山林ですので、そういった意味で太陽光発電パネルを設置するのは、向いていないといえるでしょう。

理由2 日照時間が少ない

太陽光発電を行うからには、当然どのくらいの日照時間となっているかが重要になってきます。日本の平均日照時間は、年間でおよそ1,500~2,200時間程度と言われています。ちなみに日照時間の世界平均はおよそ2,500時間程度と言われていますので、世界平均と比べてみても、かなり短くなってしまいます。そうした条件を考えると、そもそも太陽光発電に向いていないのでは?という疑問が出てきます。

それでは一体なぜ日照時間が少ないのでしょうか?それについては次で詳しく説明いたします。

理由3 気候が安定しない

日本には四季があります。春夏秋冬、実に様々な表情を見せてくれ、私達を楽しませてくれます。しかしこの四季があるために、逆に日本は太陽光発電には向いていないのです。

まずは冬です。冬は当然雪が降ります。雪が降っている間は、当然ですが太陽光発電はできません。降っている間だけであればまだいいのですが、太陽光発電パネルの上に積もった雪が溶けるまでの間も、もちろん発電が出来なくなります。これだけで冬の発電効率は相当落ちてしまうのがお分かりいただけるでしょう。

また関東の方はあまり実感が無いかと思いますが、日本海側では特に真冬は曇天が続きます。日照時間はほとんどありません。真冬の日本海側では、太陽光発電による電力の供給はまるで期待できない、と言ってしまっていいでしょう。

次に日本には梅雨があります。北海道には梅雨はありませんが、それ以外の地域では春から夏にかけて雨が良く降る季節となります。当然ですが雨が降っている間も、太陽光発電はできません。ある程度明るければ発電自体は出来るかもしれませんが、発電量は相当少なくなります。夏になってしまえば発電量は確保できるのですが、梅雨時期は発電効率が相当落ちることは間違いありません。

また日本には毎年のように台風がやってきます。台風で大雨が降っているときは、当然発電はできません。しかしそればかりでは無く、強風などにより太陽光発電パネル自体が飛ばされてしまう、といった被害も考えられます。太陽光発電パネルが飛ばされないようにするためには、しっかりと固定しなければいけないのでしょうが、そうしたコストなどを考えていくと、結局電気代にしわ寄せが来てしまいます。

最後に

日本で太陽光発電が普及しない理由は、他にもいくつか考えられます。しかし大きな理由としては、今回書いた3つに絞られてくるでしょう。今回あげた理由を見るにつけ、日本では太陽光発電以外の再生可能エネルギーを発展させた方が、より効率的だ良い結果を得られるのでは無いか、という気さえしてきます。

もちろん今後の研究によっては、日本の少ない日照時間でも十分な電力が得られるようになる可能性だって、否定はできません。そうした研究を進めることは確かに大切ですが、その発展を待つ間は、原子力発電などを再稼働させて、安定して大量の電気を利用していくことが必要なのでは無いでしょうか。