ちょっと気になるニュースを見つけました。ただし有料記事なので、冒頭部分しか読めません。
毎日新聞:日本の洋上風力「原発500基分」意外とすごい潜在力
今年いよいよ、洋上風力発電の事業者が決まり、本格的にプロジェクトが動き出す。政府が昨年、(1)秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、(2)同県由利本荘市沖、(3)千葉県銚子市沖、(4)長崎県五島市沖──の4地域で事業者の公募を開始。五島市沖は近く事業者が選定される。他の3地域は今年秋までに事業者選定となる予定だ。事業参加を考えている電力会社や再生可能エネルギー事業者、商社、さらには海外のエネルギー会社も事業権の獲得を狙って、動き出している。
書いたように有料記事ですので、この後の詳細な内容はわかりません。しかし記事の見出しから考える限りでは、「風力発電でこれだけの発電が出来る。原子力発電所に代わる発電となるだろう。」という結論になっているのかな、という予想が出来ます。
確かに風力発電は再生可能エネルギーの一つであり、今後が期待される発電方法でもあります。しかしそれでも原子力発電所に代わるような発電には、現在まだまだなり得ないというのが一般的な見方では無いでしょうか。
このような事を書くと「詳細なデータも無いのに何を言うのか」と言われるかもしれませんが、詳細なデータがあっても無くても同じことです。風力発電の基本的な仕組みを理解していれば、原子力発電に代わるような発電量は到底得ることができないという事は、簡単にわかります。
何度も何度も書いておりますが、風力発電では「風がある時だけ」発電が可能です。逆に言うと風が無いと発電は一切出来ないということになります。場所や季節の問題も関わってきます。燃料さえあれば24時間365日常に発電が可能な原子力発電とは、比べるまでもない話です。
もちろん風の効果を最大限得るために、風の多い地域・場所に風力発電の風車を建設するわけですから、通常考えているよりははるかに発電量は見込めるでしょう。しかしそれでも24時間常に風が吹き続けているような場所は、なかなか存在しないでしょう。また逆に強い風の台風などにも気をつけないとなりません。台風などで倒れないような仕組み作りやメンテナンスなどで、費用がかかってしまう事は想像に難くありません。実際に先日も福島の洋上風力発電所が全撤退する、というニュースが入ってきたばかりです。これもコストやメンテナンスなどの問題で、風力発電所の運営が難しくなってきたという事でしょう。
それに見出しに「原発500基分」とありますが、それを言うのであればまずは現在日本にあって稼働停止している原子力発電所を再稼働させる方が、より確実に大量の電気を安定して発電できることになるのでは無いでしょうか。原子力発電所にはそれだけの潜在力があるわけです。
もちろんこれからのエネルギーを考えていく上では、風力発電も大事になってきます。しかし現状ではまだまだ日本の発電の中核を担うほどでは無い、といった所でしょう。これから更に研究・発展をさせていく必要はありますが、それまでは原子力発電所を再稼働させて、安定して大量の電気を発電していく必要があると思います。それが私達の電気代の値下げにも、直接関わってくる対策となります。