電気料金の「力率」とは何?どういう意味なの?

はじめに

電気料金について調べていると、「力率(りきりつ)」という言葉に出会うことがあります。例えば高圧電力の場合、電気料金の基本料金は以下のような計算式で表すことができます。

電気代基本料金=基本料金単価 × 契約電力 ×(185-力率)/100

基本料金単価」と「契約電力」は一旦置いておくとして、最後にある(185-力率)とは、一体どういう意味なのでしょうか?今回はこの「力率」について書いていきたいと思います。

力率とは?

そもそも「力率」とは一体どういう意味でしょう。ものすごく簡単に説明すると、電気をどれだけ有効に使うことができたか、という値のことです。特に電気料金関連のことで「力率」という単語が出てきた場合、発電所から送ってきた電気をどれだけ有効に利用できたか、という意味合いになります。

基本的に「電力=電圧×電流」という式が成り立ちます。この場合は「力率100%」という事になります。しかし実際には電流は、私達の家庭やオフィスなどに来る途中で変圧器を通ります。高圧電力であれば、施設内のキュービクルなどの変圧器。低圧電力であれば電柱上にある変圧器などです。それら変圧器を電気が通るときに、どうしても電流と電圧の間に時間差が発生してしまいます。

この時発生する時間差のせいで、電圧と電流がイコールにならずに、電力に無駄が生じてしまうのです。届いた電力を全て活用することが出来ずに、どうしても「無駄」が生じてしまいます。この時「力率」は100%以下となります。しかしこの無駄な部分は、電圧が上昇しすぎることを防ぐためには、どうしても必要なことになります。その結果として、力率が100%以下になってしまうのです。

力率については、ハンドルの「遊び」の部分をイメージしていただければ、分かりやすいかと思います。自動車を運転するうえで、ハンドルの「遊び」は必要不可欠な部分です。この「遊び」が少なすぎても危険ですし、逆に多すぎても運転が上手くいかないでしょう。

つまり力率が100%に近ければ近いほど、効率的に電気を利用できているという事になるのです。

力率割引とは

この力率を踏まえた割引が、電気料金にも適用されています。例えば低圧電力の場合であれば、力率が85%を上回った場合には5%の割引、85%を下回るようであれば5%の割増が適用されます。

高圧電力の場合は、力率が85%を上回る場合1%につき1%割引、85%を下回る場合1%につき1%の割増となっています。つまり電気を有効に利用すればそれだけ電気料金が割引になるということになります。

力率を利用して電気料金割引はできるのか?

それでは電気を有効に利用すればそれだけ節電が出来る、とお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかしどうすれば電気を有効に活用できるのでしょうか?

もちろん力率を上げることでの節電は可能です。しかしそれには専門の機械を設置するなどの、専門的な知識が必要となります。高圧電力を利用している場合、施設内にキュービクルなどの変電施設があるでしょうから、そこに設置すればいいのですが、それでもやはり専門知識は必要です。低圧電力をご利用の場合、ほぼ打つ手は無いと言っていいでしょう。あまり現実的な方法ではありません。

確実に電気料金を下げたいのであれば

力率を上げることで節電は出来ますが、それはやはりかなり難しい作業です。それを考えるくらいであれば、特に高圧電力をご利用の企業、製造業、工場の方であれば、新電力へ切り替えて電気代基本料金を下げてしまった方が、よほど確実かつ大きな値下げ幅が期待できます

お問い合わせ・ご相談・お見積りは無料にて受け付けておりますので、まずは工場電気ドットコムまでお気軽にご相談ください。