「工場電気ドットコム」というサイトを運営していますと、町工場や工場の皆さん達と交流する機会が増えてまいります。そのせいか、「町工場」や「工場」「下町」などというキーワードをニュースや新聞などで目にすると、どうしても気になってしまいます。
先日平昌オリンピックが閉幕いたしました。日本勢は冬季五輪で最大のメダル数となり、とても頑張っていたと思います。その平昌オリンピックの時にこんな話題が新聞に掲載されたことがありました。つい最近のことなので、ご記憶の方も多いと思います。私は「下町」というキーワードが目についたため、記事に注目いたしました。
平昌五輪 「下町ボブスレー」ジャマイカ使用せず
https://mainichi.jp/articles/20180205/k00/00e/040/188000c
ボブスレーとは、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、専用の「そり」に乗って、氷で出来たコース上を滑り、タイムを争う競技です。「クール・ランニング」という映画をご覧になられた方も、いらっしゃるかと思います。記事にある「下町ボブスレー」とは、そのボブスレーのそりを、東京で一番町工場が多い、大田区が中心となって制作していこうというプロジェクトです。既にご存知だった方も、いらっしゃるかもしれませんね。
下町ボブスレー http://bobsleigh.jp/
「下町ボブスレー」のプロジェクトは、もともとは2011年からスタートしました。冬季オリンピック競技であるボブスレーの「そり」を、下町の町工場の技術力を結集させて制作することで、日本の下町の町工場の技術力、つまり「モノづくりニッポン」を、オリンピックという舞台を通じて世界に向けて発信しよう、という一大プロジェクトでした。
ボブスレーのそりの制作に携わるのが、100社以上。その他協賛を含めると実に200社以上もが関わっていたということで、期待もそれなりに高まっていましたし、また参加者の方々もとても気合が入っていたように思えます。
そして今年、平昌オリンピックで「下町ボブスレー」で制作されたそりがオリンピックで使われる!…と期待されたのですがしかし、実際には上の記事にあるように
平昌冬季五輪に向け、東京都大田区の町工場が中心となって国産そりを開発する「下町ボブスレー」のプロジェクト推進委員会は5日、そりを提供するジャマイカのボブスレー・スケルトン連盟から「平昌で下町ボブスレーを使わない」との連絡を受けたことを明らかにした。同国代表は女子2人乗りで出場する。
というように、オリンピック代表のそりとしては、使われない事になってしまいました。とても多くの方の期待がかかっていたプロジェクトなのに、一体どうしてこのような事になってしまったのでしょうか?
報道によると、ジャマイカ側が使用するラトビアのそりの方が、日本よりも性能が良かったため、日本の下町ボブスレーのそりが使われなくなった、という話が聞こえてきます。確かにオリンピックで勝利を掴むためには、どうしたって性能のいい物を使う必要がありますよね。ラトビアのそりよりも、日本の下町ボブスレーのそりの性能が劣る、というのであれば、ジャマイカがラトビアのそりを使うことになった、というのは仕方の無い話かもしれません。
またさらに一部の界隈からは、そもそもラトビア側との契約に問題があったのでは無いか?という話や、また「下町ボブスレー」の協賛に「大田区」の名前が上がっていた所から、行政側に何か不手際があったのでは無いか?という話も囁かれています。
結局ジャマイカは平昌オリンピックのボブスレーで、「下町ボブスレー」を使わずに競技に出ました。その結果、18位になったそうです。
残念な結果になってしまった「下町ボブスレー」ですが、私個人としてはこれで挑戦をやめてしまうのでは無く、今回の事をバネにして、更に性能のいいそりを作ることで、周囲を見返していけばいいのではないかと思っています。日本の町工場の技術力があれば、いつかジャマイカのオリンピック代表にも満足して使ってもらえるような優れたそりを作り出すことが、きっと出来るのではないかと信じています。オリンピックでもそうですが、勝つためにはやはり何事も続けていく事こそが、本当の近道なのだろうと思います。一度の失敗で辞めてしまっては、後には何も残りません。
現在「工場電気ドットコム」として、多くの町工場の皆様とお会いしていますが、成功されている所は、ほぼ例外なく一度や二度の失敗でくじけず、新しい事を続けていらっしゃいます。確かに資金不足などの問題を抱えていらっしゃる町工場もあるでしょうが、是非とも挑戦は続けていっていただきたいと考えます。
「工場電気ドットコム」ではそのお手伝いとして、皆様の町工場・工場の電気代を下げるお手伝いをしております。お問い合わせ・お見積りは無料です。手数料なども、一切必要ございません。電気代の節約をお考えの社長様、工場長様はどうぞお気軽にお問い合わせください。