「日本はものづくり大国である」いつからか、そう言われるようになってきました。確かに日本の工場・町工場は高い技術を持っていますし、製造業が日本の特に高度経済成長時代を支えてきたのは、間違いのない事実だと思います。
でも「日本のものづくり」は、具体的にどこがどうすごいのでしょうか?
Meiji.net 日本のものづくりの強みと弱み
http://www.meiji.net/magazine/study/vol25_takahiro-tomino
このページによれば、世の中にある「製品」は大きく2つに分類することが出来るそうです。それは「すり合わせ型」と「組み合わせ型」の2つです。
「すり合わせ型」とは、一つの製品ごとに部品を作り変え、それぞれ最適化していかないといけない製品。「組み合わせ型」とは、製品の特徴はそれぞれだけれども、それらを繋げる接合部などが共通化されているような製品だそうです。
「すり合わせ型」の代表的な例は自動車。ひとつの車種ごとにシートやタイヤ、エンジンなどをそれぞれ別に作っていかないといけないもの、つまり他との流用がきかないような物が「すり合わせ型」の製品です。
一方の「組み合わせ型」は、例えばスマートフォンやタブレットなどは、商品それぞれは別の規格ですが、USBコネクタやACアダプタなどの充電機器はそれぞれ流用して他機種にも使う事が出来ます。
その分類の中で日本の産業が特に強かったのが、「すり合わせ型」の製品だということだそうです。確かに自動車やオートバイなどは、日本は一時期とても強かったですし、「組み合わせ型」のデジタル関連の産業などは、近年日本はあまり競争力が強くなっていないですね。「組み合わせ型」が特に製品のコンセプトや宣伝の力が大きく出る、とこのページの筆者は分類しています。確かにアップルが大きくなったのは、コンセプトや宣伝の力が大きかったと言えますね。
PARAFT 国民性から見る!日本のものづくりの強みと弱みとは
https://paraft.jp/r000016001981
こちらのページでは日本でどうしてものづくりが発展してきたのかを、分析されています。例えば「幼い頃からものづくりに対する憧れを抱いている」「常によいものをつくろうとする改善の精神を尊重」などが、日本のものづくりが優れている原因として、挙げられています。確かに子供のころは色々なものを作ったりしましたし、日本人の真面目な性格が常に良いものをつくろうとしている精神を生み出したのかもしれませんね。
しかし同じページでは、日本のものづくりの「弱み」も指摘しています。「ゼロから製品を作ったり市場に売り出すのは苦手!?」がそれなのですが、歴史の話になりますが、日本人は鉄砲を作ることは出来なかったけれども、それを改良してより精度の高い鉄砲を上げることが出来た、という話を聞いたことがあります。そういった面はあるのかもしれません。
そんな日本のものづくりですが、今後はどういった面が課題になっていくのでしょうか。
CANON 日本のものづくりの状況や課題
http://cweb.canon.jp/solution/biz/trend/001.html
こちらに詳しい図がありますが、現状日本の製造業は一時期に比べかなり厳しい状況になってきてるようです。特にこの十数年の間に、国際的な競争力がかなり落ち込んでしまっているのは、どうやら間違いないことのようです。上にも書きましたが、日本人があまり得意としないデジタル産業の占める割合が大きくなってきている事と、決して無関係では無いように思えます。
またそうした製造業、ものづくりに携わる若い層が入ってこなくなっている、という問題もあります。今後さらに少子高齢化が進むだろうことを考えると、こうした製造業の新しい担い手を育成していく事は、何よりも大事な事だと思われます。
今回は日本の「ものづくり」について、簡単にまとめてみました。確かに日本のものづくりの技術は素晴らしいものがありますが、それをこれからどうしていくか、という大きな問題があります。今までのものづくりの発想から、より新しい発想へと転換していくことが大事なのでは無いでしょうか。