いまや再生可能エネルギーを普及させることは、世界的に大きな流れとなっています。例えばアメリカのバイデン政権では、2035年には太陽光発電で電力需要のおよそ4割を賄うことが出来るだろう、との試算を出してきました。
SankeiBiz:太陽光発電導入、世界で加速 米は35年に4割 日本では用地不足も
温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの一角である太陽光発電の大量導入に向けた世界的な動きが強まっている。バイデン米政権は8日、太陽光は2035年に電力需要の約4割を賄うことができるとの報告書を発表。日本も太陽光の積極的な活用に向かっており、次期エネルギー基本計画の政府案では2030年の電源構成における太陽光の比率は14~16%まで引き上げられる想定だ。ただ、日本では用地不足や環境への影響といった問題もあり、実現は見通せない側面もある。
バイデン政権が8日公表した太陽光発電に関する研究報告書は、35年に太陽光で電力需要の37~42%を賄うことができると試算。50年には44~45%まで伸びるとした。現状の3%から大きく増やせるとの見通しを示した形だ。実現には最大5620億ドル(約62兆円)の追加費用が必要になるとしている。
これを踏まえた流れなのでしょうが、ロサンゼルスでは2035年までに、全ての電力を再生可能エネルギーで賄うという方針を、市議会で満場一致で決定しました。
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様々な課題が考えられますが、実現するのであればすごい事だと言えます。ところでこうした流れは、日本では果たして受け入れられていくのでしょうか。
結論から言いますと、日本では全ての電気を太陽光発電で賄うというような事は、ほぼ不可能だと言えます。上に出たロサンゼルスですが、ロサンゼルスのあるカリフォルニアには広大な砂漠があります。砂漠には雨がほとんど降らないので、雨天時の太陽光パネル発電効率低下の心配はありません。問題は夜間ですが、昼間のうちに発電した電気を貯めておくなどすれば、対応は不可能ではありません。
しかし日本にはそこまで広大な土地もありませんし、雨が降らない地域などもありません。ロサンゼルスとは環境がまるで違うのです。日本で年間の日照時間が一番長いのは岡山県ですが、それでも台風や梅雨の時には日照時間が減ってしまいます。また実際に岡山県にはメガソーラーがありますが、干拓地を使ったり、駐車場の天井を利用したり、一工夫しないといけないのが現状です。
再生可能エネルギーは、それを利用する地域の環境に大きく左右されるというのがポイントです。風があまり吹かない場所に風力発電所を作っても意味がありませんし、地熱の無いところには地熱発電所は作れません。太陽光は確かに地球にどこにも降り注いでいますが、日照時間には実は地域ごとにかなりの差があるのが現状です。そうした違いをしっかりと認識して、現実に即して再生可能エネルギーを利用していくことが、これからは求められていくのでは無いでしょうか。