はじめに
一般家庭向けに新電力がスタートしたのが、2016年のことになります。今年は2020年ですから、もう4年が経過したことになります。更に遡ると大規模工場やデパートなどの、特別高圧電力で新電力がスタートしたのが2000年のことになりますので、新電力それ自体が日本で始まってから、実はもう20年も経っていることになります。もうかなりの歴史があることになりますね。
それだけ長い歴史のある「新電力」ですが、その詳細についてあまり詳しくない方も、まだ時々いらっしゃいます。私は直接はお会いしたことは無いのですが、人によっては
「新電力って詐欺じゃないの?」
と仰られる方も、残念ながらまだいらっしゃると聞きます。
このような認識の方がいらっしゃるのは、非常に残念なことだと思いますし、また新電力の安全性・有益性についてまだまだ広く周知していかないとならない、という事を再認識させられます。
さて結論から言ってしまいますと、新電力は「詐欺ではありません」。法律でも定められた、消費者の正当な権利です。
再確認!新電力とは一体どういう物?
そもそも新電力(電力の小売全面自由化)は、各地域電力会社による電気の独占販売を解消するために、定められました。電気に限らないことですが、市場が独占化されると価格が不当に値上がりをしてしまいます。そうした不当な値上がりを解消するためには、多くの企業を参入させて価格競争をさせることが最適な方法です。
このように新電力(電力の小売全面自由化)は、そもそもは「国」が私達「消費者のため」に決定したことなのです。ですから、新電力に切り替えたからといって、なんら後ろ暗い思いをする事はありません。新電力は決して「詐欺行為などではありません」。
新電力の詐欺業者にはご注意ください!
しかし電力自由化により誕生した多くの新電力業者の中に、悲しいことですが「詐欺的行為」を行う業者も、少なからず存在しております。もちろん他の多くの新電力会社は、誠実な業務を行っているのですが、こうしたごくごく少数の悪徳会社が存在してしまうことは、本当に残念なことだと言えます。この辺りのことは、以前もこのコラムにて「まだまだ後を絶たない新電力詐欺」というタイトルで、書かせていただきました。
こうした悪徳とも言える新電力会社がごく少数存在するのは確かですが、どのような業界においても、こうした悪徳業者は少なからず存在するものです。それを新電力業界だけが特別であることのように、「新電力全てが詐欺だ」という断定は出来ないでしょう。
新電力の詐欺業者を見分ける3つのポイント
新電力で悪徳な行為を働く業者には、3つのポイントがあります。ここではそのポイントを紹介していきましょう。是非覚えておいてください。
飛び込みの営業には要注意
まずは「飛び込みの営業」でやってくるような、新電力の営業には要注意です。ノーアポでやってくる段階で、営業の基本的なマナーを無視しているわけですから、それだけでかなり怪しいといえるでしょう。またこうした飛び込みの営業は「ノルマ」があるので、ノルマさえ達成できればどんな手段を使ってでも契約をさせよう、という悪質な営業員が多いのが特徴です。
こうした飛び込みの営業でも、ちゃんとした業者は確かに存在いたします。そうした営業の話を聞いて信用できそうな会社だと思っても、その場で契約をしては絶対にいけません。まずは相手の名刺や連絡先などをもらい、帰ってもらった後でその会社について、インターネットなどで評判を調べてみるのが確実な方法でしょう。
またこうした個別の訪問などで、「電気メーターを見せてください」と言われることがあります。しかしそうした場合、絶対に電気メーターを見せてはいけません。電気メーターは大体家の外にあるかと思いますが、電気メーターを見てもらっている間に他のメンバーが家の中に勝手にあがりこんで貴重品などを盗んでしまう、という手口も少ないながら確認されています。これはもう完全な犯罪行為ですので、飛び込みの個別営業にはくれぐれもご注意してください。
新電力の営業電話にも注意
営業電話なども基本的にはノルマがあるので、やはりなんとかしてその場で契約まで持っていきたい、という業者が多くなります。そうした所は、その場その場で都合のいい営業トークをするために、悪徳業者である確率が高くなってしまいます。
またそもそも電話営業を行う場合、どうしても電話を大量にかける人たちの人件費がかかってしまいます。その分の人件費などの費用が電気料金に上乗せされてしまい、結果として電気代が高くなってしまう事があります。電話営業をしてくる新電力の全てが悪徳とは言えませんが、これもやはり注意しておいた方がいいポイントでしょう。
「電気代が安くなる機械・モノ」を売りつけられたら要注意
新電力の最大の特徴は、現在の設備のまま現在の状態のままで、何もしないでそのまま電気代が安くなるという所にあります。ただ契約会社を切り替えるだけですので、工事も必要ないですし、新しい設備や機械は一切必要ありません。新電力を名乗った上で「この機械を買ってください」と言ってくるところは、まず怪しい会社だと思った方がいいでしょう。
もちろん実際に電気代が安くなる機械は、世界のどこかにはあるのかもしれません。効果がある機械を、どなたかが発明されたのかもしれません。しかし残念ながら私はまだ、そういった話を聞いたことがありません。「新電力」と、そうした「電気代が安くなる機械」は一切無関係なのです。
更に言うと「新電力」と「小型太陽光発電パネル」は、良くセットで捉えられています。しかし「新電力」と「小型太陽光発電パネル」は、基本的には一切無関係なものです。新電力にするからといって、小型太陽光発電パネルを設置しないといけない、という事は一切ありませんし、逆に小型太陽光発電パネルを設置するためには新電力にしないといけない、という事もありません。両者は全くの無関係です。
もちろん「小型太陽光発電パネル」を設置した上で、更に「新電力」に切り替える、という方法それ自体は、否定しません。両方を同時に行うことで、より電気代が大きく値下げになる、という効果は十分期待できます(もちろん太陽光発電パネルの設置費用などは考えないといけません)。しかし本来は両者は無関係なものである、ということだけは是非覚えておいてください。
最後に
繰り返しになりますが、悪徳な新電力業者は確かに少なからず存在いたしますが、新電力それ自体は決して詐欺行為などではありません。このような誤解を解いていき、皆様への新電力の正しい情報をお伝えするためにも、この工場電気ドットコムが役に立つように、これからも頑張っていきたいと思います。
そして電気代でお悩みの工場、製造業、企業のご担当者の皆様、まずは工場電気ドットコムまでお問い合わせください。ノーリスク、ノーコストにて新電力に切り替えて、電気代が安くなるお手伝いをさせていただきます。