先月23日に東京電力管内及び東北電力管内に出された「電力需給ひっ迫警報」は、私達に大きなショックを与えました。私達が普段使っている電気は実は足りなくて綱渡りの状態である、という事を初めて知った方も多くいらっしゃるのでは無いでしょうか。正直あの時に大停電が起きなかったのは、本当に奇跡的なことだったと思います。
ところで電気が足りなければ大停電になる、という理屈はわかりますが実は逆に「電気が余りすぎ」ても大停電になる恐れがあるのです。
ライブドアニュース:東北電力で「出力制御」再生可能エネルギー使いきれず 全国3例目
東北電力はきょう、再生可能エネルギーの受け入れを一時的に止める「出力制御」を行なった。九州電力・きのうの四国電力に続いて全国で3例目となる。
電力は、発電量と使用量を一致させる必要があり、そのバランスが崩れると大規模停電になるおそれがある。きょうは天気が良く、太陽光や風力による電気の供給量が大幅に増える一方、多くの企業が休みで需要が少ないため、東北電力は午前8時から午後4時まで一部の太陽光発電所などからの電気の受け入れを止める「出力制御」を行なった。
季節や天候によって電力を地元で使いきれない状況が相次いでおり、再生可能エネルギー普及に向けての課題となっている。
ここ数日全国的に晴れた天気が続き、ところによっては夏日のような暑さになっているところがあります。そうした環境では太陽光発電がフルに稼働してしまい、逆に電気が余っている状態になってしまいます。そして電気の供給が増えてしまった場合でも、停電となってしまうのです。
3月の電力需給ひっ迫警報の時は天気が悪く、太陽光発電はほとんど発電できませんでした。しかし今回は逆に発電をしすぎてしまっているのです。このように再生可能エネルギーは「天候」という不安定な要素に非常に大きく左右されてしまうのです。
今回電気が「足りない」と電気が「余っている」の真逆のことが近い範囲で起きたので、注目されている部分はあると思います。しかしこうした再生可能エネルギーの仕組みを多くの人が理解していき、メリットとデメリットがより知られるようになっていき、再生可能エネルギーを「正しく」利用していければ、それは一番いいことだと思います。そして同時に電気は「大量かつ安定した」発電が一番大切だ、ということも忘れてはいけません。