2022年、電力需給が更に厳しくなるとの見通しが発表 その対策は?

ハッキリ言ってしまうと、現在の日本は「電気が足りない」状態です。毎日普通に電気を使っていますが、それはちょっとした事でバランスを崩してしまうと、すぐに大停電が発生してしまう危険と隣合わせです。今年の3月に東京電力管内で「電力需給ひっ迫警報」が出されたのをご記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、そうした警報が出されてしまうという状態が、まさにその証拠でもあります。

ではその「電力不足」の状態は一体いつまで続くのでしょうか?残念ですがこの状態はまだまだしばらくは続きそうです。

NHK NEWS WEB:電力需給 厳しくなる見込み 政府 来週にも検討会合を開催へ

今後の電力需給が厳しくなると見込まれることから、政府は5年ぶりに関係閣僚会議を開催する方向となりました。休止している火力発電所の稼働などを盛り込んだ対策をまとめる見通しです。

今後の電力需給をめぐっては、老朽化した火力発電所の相次ぐ休止などで、この夏は東京電力の管内などで電力の供給が非常に厳しくなるほか、冬は全国の幅広いエリアで東日本大震災の発生後の2012年度以降、最も供給が厳しくなると見込まれています。

さらに、ウクライナ情勢の影響で、LNG=液化天然ガスなど火力発電の燃料の調達価格も大幅に上昇しており、電力の安定的な確保に向けた懸念が高まっているなどと指摘されています。

ここに書かれている通りなのですが、現在日本の発電のほとんどは火力発電が担っています。しかしその火力発電が次々に老巧化しています。もともと日本は火力発電から原子力発電メインにしていこう、というところで原子力発電の利用をやめてしまったわけですから、これは当然のことだといえます。

またウクライナ情勢により天然ガスの価格が上昇、手に入りづらくなってきています。こうした状態で安定して電気を確保するのは、かなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。

特にこれから夏が訪れるわけですが、夏になると冷房などにより電気の需要が高まります。そうしたタイミングで例えば地震などが起きて発電所が使えなくなってしまったら、一気に大停電のリスクが上がってしまいます。これは決して荒唐無稽な空想の話ではありません。実際に今年の3月の電力不足は、直前に発生した最大震度6強地震の影響で、火力発電所が相次いで被災したことが影響しています。

また夏をなんとか乗り切ったとしても、また半年ほどすると冬が来ます。冬は当然暖房で電気の需要が高まりますし、大雪などになってしまうと太陽光発電が全く役に立たなくなってしまいます。「電力需給ひっ迫警報」はいつ出てもおかしくない状態なのです。

こうした状態を打破するには、どうしても原子力発電所を再稼働させるしかありません。しかし今すぐ再稼働が決まったとしても、準備にそれなりに時間がかかってしまいます。その間は「節電」などをして、乗り切るしか無いでしょう。

まだしばらくは「電力不足」に対して、耐え忍んでいくしか無いようです。