共同通信:世界最高水準の人工光合成に成功 トヨタ系、植物上回る効率
トヨタ自動車グループの豊田中央研究所(愛知県長久手市)は21日、太陽光を使って水と二酸化炭素(CO2)から有機物のギ酸を生成する「人工光合成」の効率を世界最高水準まで高めることに成功したと発表した。過程でCO2を材料とするため脱炭素化につながるほか、生成したギ酸から水素を取り出し燃料電池の燃料に使うこともできる。早期実用化を目指す。
豊田中央研究所は2011年に、水とCO2のみを原料とした人工光合成に世界で初成功。当初は太陽光エネルギーを有機物に変換できる割合が0.04%だったが、改良を重ね7.2%まで向上させた。植物の光合成の効率を上回るという。
こうしたニュースが先月入ってきました。何気ない内容のようですが、実はこれはかなり大きなニュースだと思います。
まず「光合成」とはご存知のとおり、植物が二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出す、という行為になります。植物が光合成をしてくれるおかげで、私達の地球には酸素があふれているというわけです。そして現在ジャングルなどが減っていることで、光合成を行う植物が減ってきており、そこに更に工業などにより温暖化ガスが大量に排出されてしまっている、という問題があります。
植物の数を増やしていくことももちろん大切です。しかしそれには長い年月と広大な土地が必要となります。そうした動きは現在進められている真っ最中です。しかしその光合成を人工的に起こすことが出来るのであれば、温暖化ガスをより多く減らす事ができるのです。
それだけではありません。今回の方法では光合成の際に「水素」を取り出します。水素はもちろん発電のエネルギーとして利用できます。温暖化ガスはもちろん排出しません。「脱炭素社会」へ向けて、大きな一歩になるのは間違いないといえるでしょう。
今後この技術がどこまで発展するのか、どこまで実用化できるのかによって、「脱炭素社会」の進展が大きく変わってくるかもしれません。今後の動向を見守っていきたいと思います。