東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故により、現在日本ではそのほとんどの原子力発電所が稼働を停止してしまっています。しかし原子力発電所が無いと、大量の電気を安定して供給することは、かなりの難題となってしまっています。特に2020年末から2021年初頭にかけての、大規模な電力不足はそうした問題をより浮き彫りにしたのでは無いでしょうか。
そうした事もあって、近年ようやく原子力発電所の再稼働が進められるようになってきました。
時事ドットコムニュース:高浜原発3、4号機を再稼働へ 伝熱管損傷で遅れ―関電
関西電力は5日、定期検査中の高浜原発3号機(福井県高浜町)を再稼働すると発表した。7日に原子炉を起動し、4月5日に本格運転に移行する予定。高浜原発4号機(同)で昨年11月に蒸気発生器内の伝熱管の損傷が見つかったため、3、4号機とも再稼働が予定より遅れていた。4号機は4月上旬に原子炉を起動し、5月7日に本格運転へ移行させる計画だ。
京都新聞:舞鶴市長、高浜再稼働を容認 「頼らざるを得ない」エネ庁幹部に
京都府舞鶴市の多々見良三市長は16日、運転開始から40年を超える関西電力高浜原子力発電所1、2号機(福井県)の再稼働について「一定、頼らざるを得ない」と容認した。市役所で資源エネルギー庁の幹部と面会し、見解を伝えた。国や関電に対しては、安全な運転と立地自治体と同じ防災対策や地域振興策を求めた。
上記ニュースの通り、関西電力の高浜原発では、現在再稼働が進められています。およそ10年近くも稼働を停止していたわけですから、機械のメンテナンスも手間がかかったかもしれません。また様々な技術の継承などの問題もあったでしょう。再稼働までへの道のりは、険しいものだったことは想像に難くありません。また特に事故などに対しては、今まで以上に厳しい目が向けられるのは間違い有りません。
しかし現状最も大量の電気を安定して供給できる発電方法は、原子力発電しか無いのもまた現実です。もちろんいつかは環境に優しい再生可能エネルギーでそうした方法が出てくる事が望ましいわけですが、現状まだしばらく難しいといえるでしょう。そうした中で現実問題として、大規模停電などが起きないように備えていくためには、やはり原子力発電所の再稼働がもっとも賢い選択肢なのは間違い有りません。それはもちろん、事故に対して全く備えなくていいという事ではありません。
原子力発電所の再稼働については、まだまだ長引くものと思います。しかし全体の流れとしては、再稼働に大きく向かいつつあるという所でしょう。こうした流れを今しばらく見守っていきたいと思います。