いわゆる「新電力」もすっかり定着してきた感があります。インターネット上にも、この工場電気ドットコムをはじめとして、多くの新電力代理店サイトが出来ています。そうした中、時々私どものお客様から質問を受けることがあります。
「電気代○%削減を謳っているサイトがいくつもあるが、あの数字は信用していいものか?」
という内容です。
もちろん私達工場電気ドットコムのサイトでも、「電気代○%削減」を謳っておりますし、また他社様のことは判りかねる部分があります。しかし「注意すべきポイント」は分かります。それは「○%削減」とあった場合、それが「電気代基本料金」なのか「電気代総額」なのか、そこをハッキリと見極めることが大切だという事です。
すでに何度となくご紹介してきました通り、電気代は以下のような内訳となっています。
電気料金=基本料金 + 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金
まず「基本料金」は電気代の全てのベースとなる料金です。「電力量料金」も更に色々と分けることができるのですが、基本的には「使用した電力量に応じた料金」を考えていただければ、間違いはありません。「再生可能エネルギー発電促進賦課金」も同様に「使用した電力量に応じた料金」ですが、これは再生可能エネルギーを育てるために必要な費用となります。さて、ここまではご理解いただけたでしょうか。
多くの新電力は、この内訳の中の「電気代基本料金」を削減することで、電気代全体を削減します。そこで例えば新電力切替前の電気代が…
- 電気代総額 10万円
- 電気代基本料金 5万円
- 電力量料金 3万円
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金 2万円
だったとします。この時に新電力に切り替えることで、電気代基本料金が「5万円」から「4万円」に削減できたとしましょう。ただし電力量料金や再生可能エネルギー発電促進賦課金は変わらないものとします。
電気代基本料金だけが「5万円」から「4万円」になった、ということであれば、電気代の総額は「10万円」から「9万円」になります。1万円割引になった、ということですね。ではこれを「%」で考えてみましょう。
電気代基本料金が「5万円」から「4万円」に減った、という事は、
4万円 ÷ 5万円 = 0.8
となります。つまり5万円のうちの20%が引かれたという事ですから、電気代基本料金としては「20%の割引」という事になります。では電気代総額としてはどうなるでしょうか。
9万円 ÷ 10万円 = 0.9
となり、「10%の割引」という事になります。これらを図にまとめたものが、以下となります。
さてすでにお気づきの方も多いと思いますが、削減額は一緒でも「電気代基本料金」と「電気代の総額」で「割引率」は違ってきます。そこで最初のお客様のご質問に戻りますが、「電気代○%削減!」というキャッチコピーを見た場合、それが「電気代総額」のことなのか「電気代基本料金」なのかということを、しっかりと見極めておく必要があります。
そして基本的に、「電気代基本料金割引率」の方が「電気代総額割引率」よりも、大きくなる傾向があります。例えば私達工場電気ドットコムの場合であれば、電気代基本料金は30~40%の割引が可能です。そしてこの割引率の場合、総額で考えるとおよそ8~10%程度の割引となります。もちろん電力量料金や再生可能エネルギー発電促進賦課金などによっても変わってきますが、大体その程度になるというイメージを持っておいていただければ大丈夫でしょう。
特に現在日本国内での電気の取引は、基本的に「JEPX」を通じて行われています。つまり電気の「仕入れ値」は、実は各社それほど変わりは無いことになります。もちろん自社独自の発電施設などを持っているところであれば、更に電気代を安くすることは可能ですが、それでもあまりにも大きな割引率を謳ってくるところは、その割引率が「電気料金総額」なのか、それとも「電気代基本料金」なのかを、しっかりと確認しておいた方がいいと言えるでしょう。単純に大きな数字だけに目を取られて切り替えてみたら、実際には思ったほどには安くならなかった、ということも十分あり得ることです。
「電気代基本料金」と「電気代総額」は、似て非なるものですし、また微妙にややこしい関係でもあります。しかしそうした基本の部分をしっかりと押さえておくことで、より安い電気代に切り替える際に役立つこととなります。
製造業、工場、町工場であれば、電気代にお困りの時はまずは工場電気ドットコムにご相談いただければと思います。手数料などは一切不要ですので、どうぞお気軽にご連絡ください。