2019年台風15号により明らかになった電力の課題

2019年9月8日から9日にかけて、巨大な勢力の台風15号が関東を直撃しました。台風15号が通過した地域では、記録的な豪雨、記録的な風速を観測し、各地で甚大な被害が出ています。

特に千葉県では大規模停電が発生し、断水なども発生。道路も倒木などが放置された状態になっており、今回の台風がいかに巨大なものであったのかを、再認識させられます。

https://twitter.com/eishun1027/status/1171396977625423872

一日も早く被害から復旧されることを、心よりお祈りしております。

9月11日の朝の段階で、まだ千葉県では46万戸で停電が続いていますが、これらの復旧は11日中には無理であろう、という見通しを東京電力が発表いたしました。

BuzzFeed:千葉の停電、46万戸で続く。東電「11日中の復旧見通し立たず」 木更津エリアの修理は3割にとどまる

東京電力パワーグリットは9月11日午前8時から記者会見し、台風15号の影響で続く停電状況について説明した。千葉県内では現在もおよそ46万戸で停電が続いているが、「今日(11日)中の復旧の見通しは立っていない」と発表した。

会見では金子禎則社長が冒頭「広域かつ長時間の停電で大変ご迷惑をおかけしており大変申し訳ございません」と謝罪。その上で静岡、神奈川、茨城では神奈川県内の一部を除き、夜半にほぼ停電が復旧したことを発表した。

日本経済新聞:千葉など46万軒なお停電 全面復旧の見通したたず

東京電力ホールディングスは11日、台風15号による停電の軒数を同日未明までに約12万軒まで縮小する目標が未達になったと発表した。被害が大きかった千葉県で雷雨などの影響で作業が遅れており、現在も約46万軒で停電が続いている。全面復旧の見通しはたっていない。

台風15号の影響で、東電管内では東日本大震災以来で最大規模となる約93万軒で停電が発生した。11日に都内で会見した東京電力パワーグリッドの金子禎則社長は「早期の復旧を目指す」と述べた。

これは台風の過ぎ去った後に雷雨などが発生し、それにより作業が遅れてしまったことが主な原因だと思われます。そうでなくとも先程のツイートにあったように、大量の電柱が倒れているわけですから、復旧までには時間がかかるものと思われます。

今回は想定外の巨大な台風だった、ということもありますが、今後こうした大災害に備えて、例えば電線を地下に埋め込み電柱を減らしていくなどの、新たな対策が求められていくことになるでしょう。

そして今回の台風15号でもうひとつ電気関連の災害が発生してしまいました。これもやはり千葉県なのですが、千葉県にあるメガソーラー発電所で、火災が発生したのです。

Livedoor NEWS:千葉県のメガソーラー発電所で火災 台風による強風が原因か

9日午後、千葉県市原市のダム湖にある水上メガソーラーのソーラーパネルが台風の強風で吹き寄せられ、何らかのきっかけで火災が発生した。

市原市の山倉ダムには、およそ5万枚のソーラーパネルを湖面に浮かべたメガソーラー発電所があるが、映像からは本来、規則正しく並んでいるはずのソーラーパネルが吹き寄せられているように見える。消防では台風の強風が火災の原因とみているが、消火作業のためにはソーラーバネルへの通電を止める必要があり、消火のめどは立っていない。また、市原市内ではおよそ6万5000軒が停電しているが、関連はわかっていないという。

千葉県市原市の山倉ダムにあるメガソーラーは、水の上に太陽光パネルを浮かべておく、フロート式という方法が使われております。なるほど、水の上であれば広い平らな場所を確保できますので、太陽光パネルを設置するのはいいアイデアのように思えます。

しかし日本のように定期的に台風が来るような土地では、どうしてもその強度が心配になりますし、実際に今回のように火災が発生してしまいました。この工場電気ドットコムではかねてより言っていますが、発電方法には実はその土地に適した方法・適さない方法というのがあります。そこを軽視してしまうと、今回のような事故が発生してしまうでしょう。

台風15号の被害からの復旧には、まだまだ時間がかかるとものと思われます。復旧対応を行っている関係者の皆さまには、本当に頭が下がる思いです。一日も早い復旧をお祈りしております。