先日16日に発生した地震ですが、実は思ったよりも大きな影響が出ています。震源に近い福島県にある火力発電所が破損し、復旧の目処が立っていないのです。
福島県沖で16日に起きた最大震度6強、マグニチュード(M)7・4の地震で、同県浜通り地方に立地する火力発電所が相次いで被災した。震源域に最も近い相馬共同火力発電の新地発電所(新地町)は石炭を陸揚げする巨大な設備が損壊、復旧の見通しが立っていない。東北電力の原町火力(南相馬市)も停止中。いずれも東京電力管内へ送電しており、東電の供給力にも打撃を与える結果になった。
新地発電所は相馬港に隣接し、石炭燃料の1、2号機はいずれも出力100万キロワット。地震発生時は1号機が運転中で強い揺れで自動停止した。その後の調査で、専用埠頭(ふとう)に4基ある揚炭機のうち2基が大きなダメージを受けたことが分かった。輸送船から石炭を陸揚げする重要な設備で、復旧には相当の時間がかかるとみられている。
つまり現状東京電力管内では、発電量が著しく減っているということになります。そしてタイミングが悪いことに週明けの22日は、この季節には珍しくかなり記憶が低くなることが予想されています。気温が低くなれば、当然暖房などで電気の需要が増えます。しかし発電量が減ってしまっているため、電気の需要が増えてしまうと、電力の需給バランスが大幅に崩れてしまうことになります。
そのため東京電力から、異例とも言える「節電のお願い」が発表になりました。
TEPCO:3月22日の電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて
3月22日は、低気温による電力需要の増加が予想される中、3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震の影響により東日本における一部の発電所の継続的な停止に加えて、更なる電源の計画外停止や悪天候による太陽光出力の低下などにより、東日本エリアにおいて電力需給が非常に厳しい状況です。
当社といたしましては、お客さまに安定的に電気をお届けできるよう、東北電力をはじめ全国の電力会社と連携して様々な需給対策により、電力の安定供給を維持すべく努めておりますが、明日の電力需給は極めて厳しい見通しであり、引き続き精査中ですが、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できない見通しとなっております。
つきましては、22日は朝から当社サービスエリアで電気をご使用いただく皆さまにおかれましては、ご家庭や職場などにおいて、不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度とするなど、節電にご協力いただきますようお願いいたします。
また更にこれを受けて政府は、東京電力管内に「電力需給ひっ迫警報」を出しました。この警報が出されるのは、初めてのことです。
NHK NEWS WEB:東電管内で電力不足も 政府が初の「電力需給ひっ迫警報」
今月16日に宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測した地震の影響で、東京電力管内に電力を送る福島県広野町の広野火力発電所6号機などは今も運転停止の状態が続いています。
こうした中、関東地方では22日、低気圧と寒気の影響で気温が下がり、雪や雨が降る見込みで、暖房需要が増える可能性があります。
22日午前6時から7時にかけての電力の供給力に対する需要の割合を示す「電力使用率」が97%に達する見通しで、政府は東京電力管内で電力供給の余力、いわゆる「予備率」が安定供給に最低限必要とされる3%を下回る可能性があるとして初めてとなる「電力需給ひっ迫警報」を出しました。
政府は、東京電力管内の家庭や企業にできるかぎりの節電に協力するよう呼びかけています。
これは本当に異例の事ですし、とても危険な状況でもあります。もしほんの少し電気の需要が増えてしまったら、東京電力管内で大停電が起きてしまうでしょう。また天気予報では22日は一日雨となっています。となれば、太陽光発電も期待できないでしょう。多くの方が節電に協力することが必要になってきます。
そして問題なのは、こうした状況が今後どのくらい続くのか?という事になります。火力発電所の復旧にはまだしばらく時間はかかりそうです。季節も春になったとはいえ、まだまだ寒い日もあるでしょう。もうしばらくは危険な状態が続くのを覚悟しないとなりません。
こうした災害に備えるためにも、「安定して大量の電気」を発電することは重要になってきます。電気は私達の命に直結してくる問題なのです。