武蔵野市について
東京の武蔵野市は、多摩地区でも最も東にある市です。武蔵野台地にあることから、武蔵野市の名前がつけられました。皆さんが良くご存知の吉祥寺は、この武蔵野市にあります。吉祥寺はとても人気がある町の一つで、「住みたい街」ランキングを行うと、ほぼ毎回のように吉祥寺が上位にランクインされます。もしかしたら、武蔵野市という名前よりも吉祥寺という名前の方が有名かもしれませんね。
江戸時代、武蔵野市に玉川上水が通されたことから農家が増えていきました。またそれと同じ頃起きた明暦の大火により、江戸の本郷元町にあった諏訪山吉祥寺が消失したため、そこの住人が多くこの地に移住してくることとなりました。明治になり、甲武鉄道(今の中央線)が通ることで、ますます栄えていくようになりました。また対象年の関東大震災をきっかけに、市街地から多くの人々が吉祥寺に移り住むようになり、吉祥寺の人口はますます増えていきました。
武蔵野市には戦前には中島飛行機製作所があり、それに伴って発展を続けてきましたが、東京大空襲の際に工場機能が破壊されてしまいました。現在では吉祥寺駅、井の頭恩賜公園を中心に、多くの人々が集う町になっています。そのため産業は、小売業やサービス業などの、第三次産業を中心に発達しています。またアニメーションなどの、映像に関連する産業が多いのも特徴の一つです。
そんな武蔵野市の工場の方々に知っていただきたいのは、原子力発電についてです。
原子力発電について
原子力発電は、多くの発電の中でも特にコストの良い発電方法です。原理としては、実は火力発電とほぼ変わりません。原子炉の熱を使ってお湯を沸かして、その蒸気の力でタービンを回して発電するというものです。しかしとても大量の熱が発生するため、火力発電とは比較にならないくらい大量の発電をすることが可能です。具体的には、原子力発電の燃料となるウラン235が1グラムあれば、石油2000リットル分の熱エネルギーを起こすことが可能です。
また少ない燃料で発電が出来るもの特徴です。火力発電では、随時原油や石炭などの燃料を輸入してこないとなりませんが、原子力発電の場合は一度燃料となるウランを手に入れれば、しばらくは発電を続けることが出来ます。ですので、燃料の購入費や輸送費、また貯蔵費用などのコストがかかりません。火力発電よりもはるかに安い値段で発電を出来るのが、原子力発電の特徴です。
少し意外かもしれませんが、実は原子力発電では二酸化炭素などの温暖化ガスが発生しません。地球温暖化防止のために、火力発電をやめて原子力発電の割合を増やしていこう、とされていた時期もありました。
しかし原子力発電は一度事故が起きてしまうと、環境に大規模な影響を与えてしまうのが、最大の問題点だと言えるでしょう。放射線や放射性廃棄物の問題など、まだまだクリアしていかなければならない課題が多いのも事実です。福島第一原発の事故を覚えていらっしゃる方も、多いかもしれません。
まとめ
原子力発電はコストがかからず、大量に安定した発電が可能という、とても大きいメリットがあります。しかし何か事故があった場合に環境に与えるデメリットも、無視できないほどにとても大きいものがあります。
福島第一原発の事故以来、日本では多くの原子力発電所が稼働を停止してしまい、代わりに火力発電所が稼働をしています。しかし結果として、火力発電所のエネルギーに使う原油などを購入するための費用が私達の電気代に上乗せされ、電気代が値上がりする一方です。また火力発電所を使い続ける限り、地球温暖化の問題がついてまわってしまいます。
太陽光発電や風力発電などの、再生可能エネルギーの研究も盛んに進められていますが、今はまだ大量かつ安定して電気を供給できるほどではありません。不安定な電気の供給では、北海道胆振東部地震の時のような大規模なブラックアウトに対応することも出来ないでしょう。
一度事故が起きてしまったからといって、原子力発電所全てが悪の根源のような扱いをするべきでは無いでしょう。むしろ事故の経験を反省としていかし、可能な限り事故を起こさないよう、より安全な原子力発電所を、原子力発電システムを作り上げていくことが大事なのでは無いでしょうか。