高圧電気は何故必要なのか?

工場電気ドットコムでは、主に高圧電気を利用されている工場や町工場、ビルディングなどを対象に、毎月の電気代が安くなる方法をご提案しております。

高圧電気」とは、以前も紹介いたしましたが…

高圧電気」については、以前もコラムページに書きました

高圧(こうあつ)とは、直流にあっては750Vを、交流にあっては600Vを超え、7kV以下の電圧である(電気設備技術基準 第2条1-二)。これを越えるものは特別高圧(とくべつこうあつ)と称する。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/高圧_(電気)

つまり契約電力が50kW以上であれば、高圧電力を利用しているという事になります。
しかしそもそも、どうして「高圧電力」というものが必要なのでしょうか?

通常一般家庭などで使うような低圧電力の場合、電柱にある変圧器を使って電圧を下げ、消費者のところに供給されます。一方高圧電力の場合、キュービクルと呼ばれる変電設備を利用しないといけないのですが、これは基本使用者の個人所有となるので、自費で設置しないといけません。

それだけ見ると、高圧電力よりも低圧電力の方がいいように思えますが、実は長い目で見た場合、低圧電力よりも高圧電力の方が総合的に電気料金が安くなる、というメリットがあります。長期間、大量に電気を使うような工場やビルディングなどでは、高圧電力を利用した方が電気代が安くなるのです。

工場などでは高圧電力を利用した方が電気代の削減が期待できますが、設備の設置などには当然料金がかかりますし、また電気主任技術者などを選任しておかない、という面もあります。設備のメンテナンスなどの問題もありますので、これから高圧電力にしようか考えておられる場合には、その辺りの費用も含めて考えておかれた方がいいでしょう。もちろん工場電気ドットコムでオススメしている方法を使えば、更にそこからもっと電気料金を値下げすることが可能です。詳しくはお問い合わせください。

ところで高圧電力を利用する際に設置する変電設備ですが、実はキュービクルともう一種類の設備があります。それが「開放型」と呼ばれる受電設備になります。この「開放型」の受電設備は、大容量の電力を使用する場合によく設置されます。例えばビルの一室に変電設備があるような場合は、この開放型のタイプが多く見られます。この開放型は、メンテナンスなどは容易で、また増設などが簡単というメリットがあるのですが、工事費用が高かったり、また充電部が露出しているため、気をつけないと感電してしまうなどのリスクがあります。

一方のキュービクルは、閉鎖型高電圧受電設備とも呼ばれています。以前も説明したように、金属の箱型の受電設備になります。こちらは工場であらかじめ組み立てられるので、設置などは簡単ですし、また品質なども安定しています。設置までの期間も短く済むことや、また安全性なども高くなっているので、開放型に比べて近年では多く使われています。

では一般家庭で高圧電力を利用する事は可能なのでしょうか?決して不可能では無いのですが、設置の初期コストに費用がかかってしまいます。更に定期的な保守点検や電気主任技術者なども必要になってきてしまうため、一般家庭ではそこまで高圧電力による電気代値下げの恩恵を受けることは出来ません。それこそよほどの大邸宅などで無い限りは、低圧電力を利用していれば問題ないでしょう。

しかし例えば、既存のマンションなどで新規にキュービクルを追加して、高圧電力を利用するというケースはあります。マンションなどでも今まで低圧電力を使っていた場合、高圧電力に切り替えれば、長い目で見た場合電気代が下がるというケースも十分にあります。

まずは現在の環境で低圧電力高圧電力のどちらがいいのか、また高圧電力にする場合、設置費用や専任管理者などをどうするのか、じっくり検討されてみた方がいいと思います。特に月々の電気代が多いようなマンションや事業所などは、検討してみる余地は十分あると思います。