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脱炭素社会で急激に注目を浴びる水素発電とは?

2020年12月25日 公開

カテゴリー:ニュース

せんだって発表された菅総理の「脱炭素社会」宣言は、日本の多くの業界に波紋を広げています。確かに温暖化ガスの削減は、私達人類がこれからも地球で生きていくためには、ほぼ必須のことだと言えます。しかし現在の発電力・技術力ではそうした脱炭素社会を実現するには、まだかなり難しいであろうという事も分かっています。

何よりも現代では、安定して大量の電気を作ることが出来る発電方法が絶対必要となってきます。そしていわゆる再生可能エネルギー発電では、実は「安定」して「大量」の電気を発電することはできません。太陽光発電は天候で発電量が左右されますし、風力発電も同じです。予備的な発電方法としては使えますが、メインの発電方法とはなりえないのです。

水力発電ですが、これから新規にダムを作ることは難しいといえますし、やはり雨が少なくて水が貯まらない時などには発電量が心配されます。原子力発電所が最適なのですが、東京電力福島第一原発事故を経験した現在となっては、メインの発電方法からはいずれは外さざるを得ないでしょう。火力発電は当然ですが、大量の温暖化ガスを出します。これらよりも大量の電気を安定して生み出す方法を考えないといけないのです。

そんな中、大きな注目を浴びているのが「水素発電」です。特に脱炭素社会の実現へ向けて、政府が本格的に利用していくということが分かりました。

読売新聞:【独自】火力発電の燃料に水素利用、2030年に年300万トン…脱炭素社会へ政府戦略

政府が近くまとめる水素産業の成長戦略が明らかになった。大手電力会社などに、水素の利用を強く促すことが柱となる。水素の消費量を現状の年200万トンから、2030年に年300万トン、50年に年2000万トンまで増やすことを目指す。年内に策定する脱炭素社会の実現に向けた実行計画の工程表に、こうした方針を盛り込む。

政府は17年末に策定した水素基本戦略で、供給網体制の整備などに力を入れてきたが、消費量を大きく引き上げる目標を作る。50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするためには、燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出せず、水しか出ない水素の活用が不可欠と判断した。

なるほど確かに水素であれば燃やしても、水しか残しません。火力発電のエネルギーとして、水素を使うという方法は悪くないように思います。そして水素による発電は、実際にはすでに取り入れられているところもあります。

ビジネス+IT:水素発電とは何か? 安全性や市場成長率は? 水素自動車との仕組みの違いを理解する

水素は石油や石炭や天然ガスのような化石燃料と違って、燃焼させてもSOx(硫黄酸化物)のような大気汚染の原因になる有害物質や、CO2(二酸化炭素)のような地球温暖化の原因になる温室効果ガスを発生しない。排出されるのは「H2O」の水だけだ。

中略

一方、地域全体に電力を供給できるような数万、数十万kW級の「水素発電所」は、燃料電池とはまた別のやり方で、火力発電所で重油や石炭やLNG(液化天然ガス)を燃やす代わりに、水素を燃料に使うというやり方で電気を起こしている。

「水素発電」では、水素そのものを燃焼させて空気中の酸素と激しく化学反応させ、そのエネルギーでタービンを回して電気エネルギーを取り出す。原理は従来の火力発電機と同じなので、水素とLNG、水素と石炭というようにほかの燃料と一緒に燃やす「混焼」ができる。

なお、このやり方は今に始まったわけではない。化石燃料の重油にも石炭にもLNGにも一定量の水素が含まれており、火力発電所で炭素や酸素と一緒に燃やしてエネルギーを取り出してきた。液化水素燃料はアポロ計画のサターンロケットの推進力にも利用され、人間を月に送り込んだ。

このように水素をエネルギーとして使う方法は、すでに私達の生活に取り入れられています。「電気自動車」ならぬ「水素自動車」というのがあった事を、覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。であれば技術的にはある程度は解決されているでしょうし、また今後の発展も期待できます。もし現在の火力発電所を水素発電で置き換えていくことが出来れば、安定して大量の電気を確保できる方法となるのは間違いありません。実際にすでにそうした技術開発に着手しているところもあるようです。

新エネルギー・産業技術総合開発機構:高効率な水素発電を支える基盤技術開発に着手

NEDOは2040年以降の社会実装を視野に、高効率でゼロエミッションを実現する水素発電技術の開発に着手します。このたび産業技術総合研究所ら8機関からなる1件の研究開発テーマを採択し、高い発電効率を持つ1400℃級水素発電システムとクローズドサイクルの共通基盤技術を開発するとともに、社会実装に向けたシナリオを検討します。本事業によってCO2やNOxなどを発生させる従来の発電システムとは一線を画す大規模な水素利用技術の基盤を確立し、水素社会の実現に貢献します。

今後の研究と発展が期待されますが、水素発電が安定した大量の電気の確保に役立つのであれば、菅総理が掲げる「脱炭素社会」に近づくことは間違いないでしょう。期待して見守っていきたいと思います。

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