いわゆる再生可能エネルギーには、様々な発電方法が含まれます。水力発電や太陽光発電、風力発電などは有名ですが、中にはまだあまり知られていないだろう発電方法もあります。今回紹介する潮流発電も、まだ世間にはあまり知られていない発電方法かもしれませんね。
潮流発電とは
潮流発電は潮力発電とも言います。それでは潮流発電とは、具体的にどういった発電方法なのでしょうか?「潮流」とは「潮の流れ」です。潮流発電とは潮の流れを利用して、発電する方法なのです。
潮には干潮と満潮があります。干潮の時は海の潮が引いて海岸線が遠くに行きますが、満潮の時は潮が陸地の近くまでやってきます。この潮の干満はそもそも地球の自転や月の引力などが原因となって発生します。
特に入り口が広い湾などでは、この干満の時の水位の差が大きくなります。その海水の流れを利用してタービンを回し、発電をするのが潮流発電です。
潮流発電のメリット
では潮流発電のメリットについて見ていきましょう。
上にも書きましたが、潮の干満は地球の自転や月の引力などが原因で起こります。つまりそのエネルギーは無尽蔵にある、という事になります。石油や天然ガスなどはどうしても埋蔵量などがあり、いつかは枯渇してしまいますが、地球そのもののエネルギーから生まれる潮の干満は、半永久的に利用することが出来ます。また温暖化ガスなどの環境破壊の要因も、他の火力発電などに比べて、とても少なくなっています。
そして安定した発電が期待できる、というのが潮流発電の特に大きなメリットとなります。風力発電や波力発電などの再生可能エネルギーですら、どうしても気候に左右される部分はあります。しかし潮流発電に必要な潮の干満は、ある程度の規則性を持っているので、予測が容易です。天気がどんなに荒れようとも、潮の道引きは一日に2回確実に発生します。また満月と新月の時には「大潮」が発生しますが、これも簡単に予測可能です。つまり安定して電気を発電することが可能なのです。
また日本は周囲を海に囲まれています。ですので潮流発電を行うには、とても適した環境であるとも言えます。
潮流発電のデメリット
では今度は、潮流発電のデメリットを見ていきましょう。
潮流発電用のタービンは、海の中にあります。そのため、貝やゴミなどの付着物がつきやすくなり、維持管理に費用がかかってしまいます。それでいてタービンの耐用年数が10年程度ととても短いので、コストパフォーマンスはあまり良くはありません。
また期待通りの発電量が期待できる場所は、実はそれほど無数にあるわけではありません。潮流発電に適したポイントは、ある程度限られてしまいます。またいいポイントを見つけても、そこが漁場であったり船が多く行き交う場所であったりすると、そうした近隣との調整も必要となります。
理想のポイントを見つけて発電用タービンを設置しても、そこが陸地に近ければいいのですが、沖合などであった場合に発電した電気を送るための送電ケーブルを改定に通さないといけなくなります。そうした海底ケーブルの設置も、コスト面で問題になってしまいがちです。
まとめ
潮流発電は、まだまだ実用化に向けて研究が進められている段階です。しかし安定した発電が期待できるので、実用化された場合は、日本の電力にとって大きな効果が期待できることでしょう。