青梅市について
東京の西部にある西多摩地域最大の面積を誇るのが、青梅市です。関東山地と武蔵野台地にまたがっていて、多摩川が貫くように流れているのが大きな特徴です。東京の西部にあるということで、交通などが不便なイメージがありますが実際には青梅線が走っているため、交通はそこまで不便ではありません。
青梅市はもともと青梅街道の宿場町であった青梅宿として、栄えていました。古くから織物が盛んで、青梅縞、青梅綿などが有名でした。他にも石灰や木材などの産業も、盛んでした。現在でも市内には、多くの歴史的文化財や伝統文化などが、連綿と受け継がれています。
高度経済成長時代の昭和40年代になると三ツ原工業団地が造成され、多くの工場などが進出してきています。近年では、ハイテクノロジー関連の産業が多く進出していきています。
観光資源も豊富で、だるま市や塩船観音、武蔵御嶽神社などが有名です。また毎年2月に開催される青梅マラソンには、国内外からも多くのランナーが参加します。
そんな青梅市の工場の皆様に知っていただきたいのは、水力発電についてです。
水力発電について
水力発電といえば、真っ先にダムを思い出す人も少なくないと思います。ダムには災害を防いだり、飲料水を確保するという役割もありますが、一番大きなダムの役割としては、やはり水力発電が挙げられるでしょう。ダムと水力発電には、深い関係があります。
ダムは基本的に山の中など、標高の高いところに作られます。高いところにあるダムに貯めた水を低地に放水するのですが、その際の水のエネルギーを利用して発電機を回して発電をするのが、ダムによる水力発電の大まかな仕組みです。
水力発電のメリット
水力発電のメリットについてですが、やはり最も大きい所では、いわゆる温暖化ガスなどを出さないという事でしょうか。燃料などを燃やす必要が無いので、その他のガスや廃液、様々な廃棄物などが出ないので、環境に優しいエネルギーだという事がいえます。
水力発電に利用する水は、元々は雨水が川となって流れてきたものです。つまり燃料などを購入する必要もありません。燃料費用などのコストがかからない、というのも水力発電のメリットのひとつだと言えるでしょう。
また上にも書きましたとおり、ダムには水力発電の役割の他に、水害を防いだり飲料水を確保したり、という役割もあります。一石二鳥、一石三鳥ともなるのが、ダムという施設の最大の特徴です。
水力発電のデメリット
なんだかいいことづくめのような水力発電ですが、もちろんデメリットがあります。まずダムを作るには、広い敷地が必要です。そのために山林を切り開いたり、場合によっては村などに住んでいた方たちをどかした所に、ダムを作る事などもあります。「環境に優しいエネルギー」と書きましたが、ダムを建設する段階では、このような大規模な環境破壊が起きてしまいます。
それにダムはとても大規模な施設などで、維持管理の莫大な費用と大勢の人達が必要となります。メンテナンスなどは、それこそ何年もの単位で考えていかないといけないでしょう。
もちろん大規模なダムを作らずに、例えば川の流れをそのまま利用して発電する、という方法もあります。ダムほどでは無い、小さな貯水池程度のものを作って、それで発電をするという方式もあります。しかしそうした施設では、あまり大量の発電を期待できなくなってしまう、という欠点もあります。
またダムに必要な水は元々は雨ですので、例えば干ばつなどで雨が降らないと、思うように発電が出来なくなってしまう可能性もあります。天候などにより発電量が安定しづらいのは、再生可能エネルギーに共通する問題点でもあります。
まとめ
ダムという大規模な施設が必要となってしまうため、近年でも新しいダムなどはあまり建設されない流れになってきています。そのかわり、調整池式水力発電や自流式水力発電などの、小型のダムで賄おう、という流れになってきているようです。
いずれにせよ、再生可能エネルギーに共通する弱点として「安定した発電が期待できない」というものがあります。これはダムも一緒です。こうした課題を克服していくための研究が、今こそ求められているのかもしれません。