2018年9月4日、関西地方を中心に台風21号が猛威を振るいました。台風21号の被害に遭われた方々には、まずはお見舞い申し上げます。
台風21号の被害からまだ数日しか経っていませんが、とにかくその威力は凄まじいものでした。タンカーの衝突によって、関西国際空港への連絡橋が破損し、関西国際空港が一時的に利用不能になったり、また家の屋根が飛んだり、マンションなどのベランダまで飛んでいったり、走っている自動車が転倒するようなショッキングな画像をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。特に現代はTwitterなどのSNSに被害の様子がアップされるので、余計にそうした映像に触れる機会は多くなっていると思います。
また関西電力では、大阪、和歌山、兵庫などで160万戸以上が停電。中部電力では、69万戸以上が停電となりました。台風21号が想定以上の威力だったことと思いますが、相当大規模な停電だったことは、間違いありません。復旧のために活躍した関西電力他各電力会社の方々には、本当に感謝する他ありません。
さてそんな台風21号関連の画像、映像の中で、太陽光パネルが飛散したものをご覧になった方も、いらっしゃるかもしれません。
https://twitter.com/Sgk218/status/1036908998505639937
台風の影響で、たぶん屋根設置の太陽光パネルが飛んできた…柔らかい樹脂みたいだけど結構重い pic.twitter.com/Aez8ckjMbc
— 藤屋 太助 (@SUGITA070872) September 4, 2018
我が家が受けた台風21号の被害。向かいのマンションから太陽光パネルがベランダに突っ込んだ。幸いうちの家族は外出していたが、ガラスの破片が飛び散って大変だった。昨日から何度もうちのマンションの管理会社に問い合わせたが、まだ来ない。
#台風21号 pic.twitter.com/EaTtEjkk79— 当てるマン (@rrrh4ARET3f8SSD) September 5, 2018
太陽光パネル強風で倒れる!#徳島#台風21号 pic.twitter.com/y06jQLmWt5
— 孝太郎 (@koh_olympus) September 4, 2018
今後、台風が来る度にこんな状況が現出するだろう。
“脱太陽光”の論調が出てくるかもしれないな。https://t.co/9U8iAS2c49#台風21号 の影響で・・・近隣住民が「ソーラーパネルが飛ばされていて、自宅にも飛んできそうだ」と。 パネルは固定するパイプごと飛ばされ・・・ pic.twitter.com/LOcNWmdWBt
— 石川和男(政策アナリスト) (@kazuo_ishikawa) September 4, 2018
Twitterなどでも「太陽光パネル」で検索するだけで、上のように太陽光パネルが倒壊・破損している画像を多く見つけることが出来ます。またそれら、倒壊・破損した太陽光パネルの情報をまとめたサイトも、見つける事が出来ます。
また浸水した太陽光パネルには近づかないように、経済産業省が呼びかけているとのニュースも見ることが出来ます。浸水していても太陽光パネルは太陽光が当たると発電を始めてしまうので、漏電状態となり感電してしまう恐れがあります。くれぐれも近寄らないようにしましょう。
浸水した太陽光パネルで感電のおそれ 近づかないよう呼びかけ
太陽光パネルが災害に弱いということは、このサイトでは以前の「2018年7月の豪雨で露呈した太陽光パネルの思わぬ弱点」を始めとして、何度か書いていました。そして今回の台風21号により、太陽光パネルは台風にも弱い、という事がより明確になったといえます。
いわゆる太陽光パネルと言った場合、皆さん上のようなイメージを連想すると思います。しかし良く見ると、地面に接地しているのは、下の鉄骨のところだけです。そこが果たして地面にしっかり固定されているのか、基礎工事が行われているのかなどは、この画像を見る限り判別できません。また地面とパネルの間は広く空いていますので、台風などの強風が吹くとパネルが簡単にめくれ上がってしまうのは、想像がつくかと思います。冷静に考えてみると、かなり不安定な作りになっているのでは無いか、と思うのですが、一体どうしてこのような手軽にも思える設置方法になっているのでしょうか?
実は太陽光パネルの工事には、いわゆる「建築基準法」が適用されていないのです。
太陽光発電の悪しき制度「49kWの罠」
樹木を切り倒し、根を抜いても、基礎工事をする必要がない。工事現場の鉄骨を組み立ててその上にパネルをポンポンと載せていくような手抜きの手法が使われる。建築基準法にも該当しないために、どんな傾斜地にも設置できる。配電線の工事も比較的容易に取得できる第2種の資格でできる。除草は高い人件費を払うかわりに強烈な農薬をまいて終わる。
再生可能エネルギーの闇…「風力発電」暴風で倒壊、「太陽光発電」水没で感電死の恐れ
再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度(FIT)」は、菅直人政権末期の12年7月、ソフトバンクグループの孫正義社長らの後押しなどもあって全量買い取りが導入された。買い取り額は電気料金に上乗せされて国民の負担増となった。太陽光発電設備の建設については、建築基準法の適用から除外された。
基礎工事もせずに太陽光パネルを設置しているのであれば、確かに大風や水害、土砂崩れなどの災害に弱いのは当然といえるかもしれません。
家庭用の太陽光パネルであれば、屋根から落ちないように多少は強固なつくりになっているのだと思います。しかし今回のような台風の場合でも飛ばないようにしっかりと固定するのであれば、そのための費用が余計にかかってしまいます。いわゆる「固定価格買取制度」で電気を買い取ってもらっても、利益にならないので避けられてしまっているのかもしれません。
このようなずさんとも言える工事方法で太陽光パネルが大量に設置されてしまっているのは、上にあげたように「固定価格買取制度」により太陽光発電が儲かると見た業者が大量に参入し、結果質の低い太陽光パネルが出来てしまった、という事が原因でしょう。もちろん発電の未来のために、真面目に太陽光パネルに取り組んでいらっしゃる業者もたくさんいらっしゃいます。しかし残念なことに、そうでは無い業者もかなりの数が、太陽光発電事業に参入してきてしまっている、という事です。
このようなずさんとも言える工事方法で太陽光パネルが大量に設置されてしまっているのは、上にあげたように「固定価格買取制度」により太陽光発電が儲かると見た業者が大量に参入し、結果質の低い太陽光パネルが出来てしまった、という事が原因でしょう。もちろん発電の未来のために、真面目に太陽光パネルに取り組んでいらっしゃる業者もたくさんいらっしゃいます。しかし残念なことに、そうでは無い業者もかなりの数が、太陽光発電事業に参入してきてしまっている、という事です。
自宅の太陽光パネルが風で飛んでしまい、他の家を壊してしまうような事があるかもしれません。更に太陽光パネルが、誰かを傷つけるような事があったら大変です。固定価格買取制度で買い取ってもらった金額よりも、その方への治療費や損害賠償金が高くついてしまうかもしれません。既に太陽光パネルを取り付けていらっしゃる各家庭、オフィスは、台風などで太陽光パネルが飛ばないよう、くれぐれも対策を怠らないようにしてください。