福島県の工場にお教えする電力の需給バランスについて

福島県について

東北地方の南東部に位置しているのが、福島県です。その面積は、北海道と岩手県についで、全国三位の広さとなっています。

福島県では様々な産業が盛んに行われています。農業では桃やナシなどの、果物。また稲作なども盛んです。特に桃は全国有数の生産量であり、また高品質なことでも有名です。

福島では工業も盛んで、多くの工場があります。工業分野の中ではパソコンなどの情報通信機械分野の製造が、最も多くなっており、続いて輸送用機械、化学、電子部品の順番となっております。特に郡山市、福島市、会津若松市、いわき市にはハイテクプラザという機関があり、工業技術の発展などに協力をしています。

また福島県は、特に発電所が多いことでも有名です。水力発電所、火力発電所、地熱発電所、風力発電所、そして2011年に残念ながら事故を起こしてしまった原子力発電所など、とにかく多くの種類の発電所があります。

そんな福島県の工場の皆さまにお教えしたいのは、電力の需給バランスについてです。

電力の需給バランスについて

当然の話ですが、電気にも「需要」と「供給」があります。「需要」はもちろん、私達が日々電気を利用する、まさにその行為になります。一方の「供給」は、これは「発電」および「送電」が電気の供給ということになります。実はこの「需要」と「供給」のバランスは、保たれていないといけないのです。

電気の「需要」と「供給」のバランスが保たれている状態では、電気の周波数が安定をします。電気の周波数が安定することで、私達は安全に電気を使うことが可能なのです。もしも需要に対して供給が多くなってしまうと、電気の周波数は上昇してしまいます。逆に供給に対して需要が多くなると、今度は電気の周波数が下がってしまいます。

電力の需給バランスが崩れてしまうとどうなるか?

このように電気の需要と供給のバランスを取る、というのはとても大事なことなのです。ですから、大手地方電力会社では「でんき予報」などのような、翌日の電気利用量の予想を出して、あらかじめ発電量などを決めておくのです。

昨年9月に発生した北海道胆振東部地震では、地震の影響で北海道全体が大停電になってしまったことがありました。ご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。実はこれも電力の需給バランスが崩れてしまったことが、原因です。地震により火力発電所が停止、そのため電気が供給不足に陥ってしまい需給バランスが崩れ、あのような大停電が発生してしまったのです。このように電力の需給バランスは、とても大事なものなのです。

電力の需給バランスを保つためにはどうしたらいいのか

電力の需給バランスが崩れてしまうと、大停電が発生してしまいます。そのためには電力の需給バランスを崩さないようにすることが大事ですが、それにはどうすればいいのでしょうか。まずは電力の需要の予想を、綿密に立てること。これは何年にも及ぶ電力使用容量のデータの蓄積などから、可能になります。しかしどれだけ綿密な予想を立てても、100%予想通りに行くということは、まずありません。そこで大事になってくるのが、電力を安定かつ大量に発電できる、という発電方法です。需要予想がある程度外れてしまっても、それに対応できるようにコントロールが可能な発電が重要になってくるのです。

そういった意味では、例えば風力発電所などは風がふかないと発電が出来ません。電力の需要が予想より多くなってきたときに、すぐに発電量を増やすということは、なかなか出来ません。太陽光発電なども同様で、夜中は発電が出来ませんから、電気の需要増加に思うように対応することが出来ないのです。

最後に

普段、私達はあまり意識していませんが、電力の需給バランスはとても大事な問題です。需給バランスが崩れただけで、大停電が発生する可能性があるのです。そしてそれを回避するためには、安定して大量の電気を生み出す発電方法が必要なのです。しかし現状もっとも優れた「安定して大量の電気を生み出す発電方法」は、原子力発電なのです。

東京電力福島第一原発事故により、日本の原子力発電所は稼働を停止されてしまいました。しかし現実には安定した電気を大量に生み出すためには、原子力発電所の力が必要なのです。この問題は、今後より冷静かつ論理的に議論されていく必要があるでしょう。