先日「白熱電球とLED電球の違いについて」のページで、白熱電球とLED電球の仕組みについて、それぞれ書いておきました。今回は更に蛍光灯の仕組みについて書いていきたいと思います。
白熱電球では電気はフィラメントを流れることで、発光・発熱をしていました。蛍光灯の中で電気が流れるのはフィラメントでは無く、ガスとなります。まず蛍光灯の管となるガラス管に蛍光物質を塗布しておきます。その両端に電極を取り付け、ガラス管の中の空気を抜いて水銀ガス、アルゴンガスなどを注入します。そのガスを電気が通るのです。
子供の頃に「割れた蛍光灯に近づくと危ない」と言われた方もいらっしゃるかもしれません。もちろんガラスが割れているから危険ではあるのですが、それ以上に水銀ガスなどが入っているので危ない、という事もあるのです。
電気を流すことで電極から電子が放出されます。この時放出された電子が水銀ガスにぶつかると、紫外線が発生します。紫外線はそのままでは目に見えないのですが、紫外線がガラス管に塗られた蛍光塗料にぶつかることで蛍光塗料が発光し、私達が見ることの出来る光となります。この蛍光塗料の種類を変えることで、様々な種類の光を出せるようになるのが、大きな特徴です。
蛍光灯は発光する際に、白熱電球ほどは熱が出ません。以前も書きましたが白熱電球ではフィラメントに電気を通す際の電気抵抗を利用して発光・発熱させています。このときのフィラメントの熱は2000℃~3000℃となります。しかし蛍光灯は発熱量が低く、実はLED電球とあまり変わらないほどの発熱量となっています。
また蛍光灯には、いくつかの種類があります。これは点灯方法により分類されます。
スタータ形
蛍光灯をつける際に「グロースタータ」と呼ばれる点灯管を利用するのが「スタータ形」です
ラピッドスタート形
グロースタータの代わりに電極予熱回路と昇圧回路が組み込まれた安定器を使用する事で点灯するのが「ラピッドスタート形」です。グロースタータ型と違い、スイッチを入れると即座に点灯するのが特徴です。
インバータ形
このインバータ型では電子安定器(インバーター)を使うことで交流電源を一旦直流に変換、さらに高周波に変換して、点灯を行います。この方法は高周波で点灯するために蛍光灯特有のチラつきがなくなり、少ない電気量で点灯できるのが特徴です。ただし価格が高いのが、デメリットとなっています。
蛍光灯の寿命はおよそ6000~20000時間と言われています。これは白熱電球に比べると、おおよそ5~6倍も長持ちする計算になります。白熱電球の場合、フィラメントが寿命になると急につかなくなりますが、蛍光灯の場合は少しずつ暗くなって寿命を迎えるのが特徴です。
そんな蛍光灯ですが「水俣条約」の締結により、2020年以降生産量が大幅に減っていくだろう、という事が予測されています。理由は蛍光灯に使用されている水銀の製造・輸入・輸出などが、大幅に規制されるためです。今後蛍光灯は、LED照明に取ってかわられていくかもしれませんね。
今回は蛍光灯について、書いてきました。日常使っている照明器具にも、様々な違いがあるものですね。その特徴を把握して、うまく電気を使っていきたいものですね。