ミャンマーというと昨年2月にクーデターが起き、軍が全権力を掌握しました。あれからもう1年経ったのですが、ミャンマー国内ではまだまだ混乱が起きているようです。
NHK NEWS WEB:ミャンマー 深刻な電力不足 クーデター後の混乱や価格高騰で
ミャンマーでは、クーデター後の混乱に加えて、世界的なエネルギー価格の高騰により深刻な電力不足に陥っていて、停電が頻発し市民生活や経済活動への影響が広がっています。
クーデターで全権を掌握したミャンマー軍の統治下にある電力・エネルギー省によりますと、ミャンマーでは、クーデター以降水力発電所からの送電設備が武装勢力に破壊されたことに加え、価格の高騰により、天然ガスを利用した発電を一時停止しているということで発電量が減少し、各地で停電が頻発しています。
中略
JETRO=日本貿易振興機構のヤンゴン事務所によりますと、日本企業の工場の中にも一日10時間以上停電し、自家発電機を稼働させざるをえないため、生産コストが上がっているところもあるということで、経済活動への影響も出ています。
記事にもあるように、ミャンマーではクーデターの影響で送電設備など破壊されてしまっている所があるということです。その復旧もまだ出来ていないのでしょうが、そこに昨今の天然ガスの高騰により、火力発電を一部停止しているそうです。いくらなんでもこれでは電気が足りなくなってしまうのは当然だと言えるでしょう。しかし何もこれはミャンマーの問題だけではありません。日本だって、いつミャンマーのようになってもおかしくは無い状況です。
すでにご存知の通り、ロシアのウクライナ侵攻により天然ガスの価格が高騰しています。原油価格については急落したとの情報も入ってきていますが、いつまた値上がりするかはわかりません。非常に不安定な状態だといえます。それに加えて現在の日本では原子力発電所のほとんどが稼働を停止しています。安定して大量の電気を供給するのには、かなり不安が残る状況です。
こうした状況で大量の電気を安定して供給するためには、原子力発電所の再稼働を行うのが唯一の方法だと言えるでしょう。しかし仮に今すぐ原子力発電所の再稼働が決定したとしても、それですぐに今まで通り動かせるようにはなりません。どうしても数ヶ月はかかってしまいます。せめて電力の需要が高まる夏までには再稼働を進めてほしいところなのですが、現状どうなるかは予想がつきません。
いずれにしても、ミャンマーの電力不足は決して他人事ではありません。日本でもいつ同じようになるか分からないのです。そのときのために節電も大切なことなのですが、まずは原子力発電所の再稼働を進めておくことが大切だと言えるでしょう。