「駐車場」というと、皆さんどういったイメージを持たれるでしょうか。特にショッピングモールやホームセンターの駐車場などは、かなり広大な土地を利用しているのが思い浮かぶと思います。そうした広大な駐車場を利用してメガソーラーを設置したのが、岡山村田製作所です。
工場に隣接した1200台分の駐車場に、太陽光発電パネルの片流れ屋根を架けたカーポートがずらりと並ぶ。岡山村田製作所の駐車場だ。親会社の村田製作所(京都府長岡京市)が導入し、2020年3月にシステムを稼働させた。固定価格買取制度(FIT)の認定を受け、全量を売電している。
「電子部品を開発製造してエネルギーを扱う当社グループでは、以前から気候変動を踏まえたエネルギー負荷の低減に取り組んできた。今回は工場に隣接する用地を購入して工場敷地内にあった駐車場を移転させ、メガソーラーを導入した」。村田製作所企画管理本部管理グループファシリティ部の坂田繁寛部長は経緯を説明する。
敷地は、南北の縦軸と東西の横軸を組み合わせたL字形状となっている。ここに、屋根部分がおよそ18.5m×11.7mのカーポートを約60棟並べた。屋根となるパネルは、敷地の縦軸部分には南向きで、横軸部分には東向きで片流れ形状にそれぞれ架けている。12本の柱で支える各カーポートには、屋根傾斜の方向に沿って出入りするよう配置した14台分の駐車スペースを設けた。
リンク先の記事にある画像を見ていただければわかりますが、広大な駐車場に屋根のようにメガソーラーが設置されています。確かにこの方法は広い土地を太陽光発電に利用できますし、また「屋根」となっているためスペースを有効活用しているといっていいでしょう。そして下に駐車している車にとっては太陽光を防いでくれるわけですから、まさに一挙両得な手段だと言っていいかもしれません。ちなみに岡山県は日本国内でも、特に年間の日照時間が長い場所でもあります。そういった意味でも、実に合理的なアイデアだと言えるでしょう。
しかしいいアイデアなのは間違いありませんが、やはりいくつかの心配点も思いつきます。まずは台風などへの対策です。こうした太陽光パネルは特に強風であおられてしまい、場合によっては飛散するという事が近年指摘されています。そうした強風対策をしっかり施すことが、求められるでしょう。また駐車場である以上は、自動車がひっきりなしに出入りすることもあります。そうした自動車が間違って柱にぶつかる、という事も当然考えられます。そうなると太陽光パネルが傾いたり落ちたりと、これもやはり大きな事故の原因となります。更に言うと雪の重みにも耐えうるように、しっかりと設計をする必要があるでしょう。そう考えていくと、他の場所で気軽に真似をするのは、なかなか難しいように思います。
いずれにせよ、こうした太陽光パネルの新しい活用法がどんどんと出てくるのは、歓迎したい所です。上に書いたようなデメリットも当然考えられますが、それらをきちんと克服していくことが大切です。太陽光パネルの新しい活用法が、これからも出てくるのを期待しています。